消えない想い ページ7
鎹鴉の蘭からの情報では先に向かった隊士がいるとのことだったが姿が見えない。殺られてしまったのだろうか…。嫌な予感が頭を過る。
ほのかな鬼の気配を頼りに居場所を探っていた所、もの凄い速さで何かが目の前に現れる。醜い容姿の女の鬼だ。長く鋭い爪はなかなか厄介そうだ。
「花の呼吸 伍ノ型・徒の芍薬」
間合いを詰めて連続で刀を振るうが、鬼は素早く避ける。そして自身の体の皮を剥き握りしめると、その掌で皮は砂粒のように崩れる。その砂粒が飛来する。
「花の呼吸 弐ノ型・御影梅」
攻撃を避けながら技を出すが思わず後ずさる。足に触れた何かに目をやると、痘瘡に侵されたような隊士が転がっていた。冷静に見渡せば、その数は十数名。苦しそうな呻き声を微かにあげている様子に、まだ命があると安堵する。
恐らく攻撃を食らえばこうなる…。
暫く激しい攻防が続く。
「花の呼吸 陸ノ型・渦桃」
回転しながら砂粒を掻い潜り、鬼の頚を跳ねた。ハラハラと灰になる鬼を確認した後、倒れている隊士に声をかける。全員、命は繋ぎ止めている。この痘瘡は消えるだろうか？気づけば自身の左手首と右膝の内側の皮膚に同様の症状が発現している。戦いの後の安堵と疲労から、その場に蹲り隠の到着を待った。
＊＊＊
「北東ノ森デ、鬼ト交戦中！至急、迎エ！」
要からの伝達で急ぎ向かう。森に到着した所、既に鬼の気配は消えていた。誰かが斬ったのだろうか、要からは血鬼術に苦戦していると情報を得ている。倒れている隊士に応急処置を施す。全身が痘瘡に侵されているような状態は血鬼術の所以だろう。
「A？！」
木によりかかり、蹲った姿のため顔は確認できないが、俺がAを見間違えることはない。駆け寄り、怪我はないか確認する。少しだが血鬼術の影響が出ている、胡蝶の元へ運んだ方が良さそうだ。
「れ、煉獄様？！」
声を上げるAを抱き上げれば、ちょうど隠が到着したようだ。
「炎柱様！お疲れの所、申し訳ありません！」
「うむ！俺が到着した時には鬼はもう斬った後だった。命を落とした者はいないが重症者が十数名いる。俺はこの軽症の隊士を胡蝶の屋敷へ連れて行くから、他の者を運んでくれ」
俺は、そう言い残しAを横抱きにし、蝶屋敷へ急いだ。
「煉獄さん、外で待っていて下さい。幼馴染みとはいえ、嫁入り前の女性の体を見るおつもりですか？」
Aの体が心配だったが胡蝶に叱られ、診察室からは追い出されてしまった。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 夢主じゃ、童磨殿には敵いませんからね…😣しばらく地味な展開になりそうです😢 (2021年12月8日 7時) (
レス) @page12 id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - え⁉️😱夢主ちゃん⁉️よもやーーーッ (2021年12月7日 23時) (レス) @page12 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年10月18日 1時
