鬼の頚 ページ23
「この度の任務、お疲様でございました。同行させていただき光栄です」
鬼殺隊いや、三国一の容姿を誇る宇髄様に頭を下げる。大きな手が私の頭をポンポンと叩く。
「まあまあ、煉獄が復帰するまでは面倒見てやる。お前も、大変だろうが頑張れよ。俺は嫁が待ってるからこのまま帰宅するが、お前はどうする？」
「私は、藤の紋の家に一泊させていただき、明日の任務に立ちます。他の隊士がいれば、藤の紋の家にご厄介になることも許されておりますので…」
私の護衛と監視を兼ねて、現在は炎柱邸の離れにて生活をすることとなった。杏寿郎は完全に復帰するの間、生家で暮らしているため、私の様な者が炎柱邸に勝手に出入りすること自体が憚られる。なるべく、屋敷には戻らず藤の紋の家を転々としながら任務を熟しているのだ。
「煉獄のトコに居られなくなったら俺がもらってやるよ」
私の心の内を察したのか宇髄様は、いつものように笑みを湛えながら手をひらひら振りながら私に背を向けた。
＊＊＊
「鬼狩り様、お務めご苦労様でございます。ごゆるりと過ごして下さいませ」
今日は私の他に女性の隊士が宿泊しているそうで、夕餉を共に食す。共に任務に当たったことがあるのか、はたまた別の機会だったか、この女性隊士とは何度か顔を会わせた記憶がある。
「Aさん、暫くお顔を見ませんでしたが息災でしょうか？」
丁寧な言葉が冷たく響き、その顔には意地の悪い笑みを浮かべている。私の事をご存知なのだろう。お館様の計らいで私の鬼化は一般の隊士には伏せられているが、勘の良い隊士、特に最近は匂いや音などで鬼に気付く隊士もいるらしく、私の鬼化を見抜いている者もいるであろう。また、気付いてしまえば人の口に戸は立てられぬ、噂はすぐに広まっていくのだろう。
「ええ、お陰様で…」
当たり障りのない返答でその場をはぐらかし、湯を頂き床についた。
夜半に首筋にゾッとするような感覚を覚え、はっと目を覚ます。暗がりの中に浮かぶ影を凝視すれば、その姿は宿を共にしている女性隊士だ。そして私の首筋に触れる物は彼女の日輪刀。
「鬼になった貴方を切ることは鬼殺隊としての大義がある。私は両親、兄弟を鬼に食われた。仲間もたくさん殺された。あなたもいずれ醜い鬼になるのならこの場で首を斬る」
「そうだ私は、いつか鬼になるのだ。鬼に恨みのある人間が多い鬼殺隊にはやはり居場所はないのだ」
覚悟して目を閉じるた瞬間、大きな音で襖が突如、開いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫巻(プロフ) - 桃平さん» 夢主じゃ、童磨殿には敵いませんからね…😣しばらく地味な展開になりそうです😢 (2021年12月8日 7時) (
レス) @page12 id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - え⁉️😱夢主ちゃん⁉️よもやーーーッ (2021年12月7日 23時) (レス) @page12 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫巻 | 作成日時：2021年10月18日 1時
