万世極楽教 ページ11
「此処か…」
宗教施設としてはそれ程大きくはなく、あまり目立った活動はしていないようだ。
家族を失い、大きな屋敷で女中として働いていたが、若旦那に見初められ周囲からの嫉妬により追い出された結果、人間不信に陥った女性。
万世極楽教の信者は皆、優しく心の清らかな人ばかりで人助けようと手を差し伸べてくれる。
「教祖様の許可が下りれば住み込みで働くことにこともできるわよ。外のしがらみから開放されて、食事も住居も困らない、どうかしら？」
幹部と思しき中年女性に声を掛けられ、教祖に会うことになった。
情報を得るには何とかして教祖に気に入られなければ…。
緊張しながらも、教祖の部屋の襖の前に立った。
「失礼致します」
中年女性に続き部屋に入り、正座で頭を深々と下げる。部屋の奥には白橡色の長い髪と虹色がかった瞳を持つ美青年が座っていた。
「やあ、君かい？新しい信者の
気さくに声をかけられ面を上げる。
「アハハ、可愛いね。辛い事があったんだね、話は聞いているよ。僕の身の回りの世話を中心にしてくれるかな？」
優しい言葉に甘えさせて頂き、私は住み込みで働くことになった。
「教祖様、お召し物の換えをお持ちいたしました」
「ありがとう！部屋の外に置いてくれていいよ」
「教祖様、お食事の支度が整いました」
「そう、そこに置いておいて。後で、片付けに来てくれれぱいいから」(←怪しまれないように食事するフリをしてます)
「本日の湯浴みは何時にいたしますか？」
「今日は法話があるから終わったら自分でするよ、個人的な法話だから襖は決して開けないようにね」
・
・
・
「教祖様に気に入っていただければ、寝所にお供できるわよ。そうなったら側近中の側近、苦しみや悲しみから永遠に開放されるわ。私じゃ、もう無理だけれど貴方なら可能性はある。励みなさいね！」
食事の片付けの折、教団の幹部である中年女性から激励される。詳しく話が聞きたい。
「側近になられた方から、どうすればお近づきになれるかお聞きしたいですね」
「そうね、私もそうしたかったわ。でも、側近になってしまうと、もう私達とは違う次元に行くから会えないのよ」
「…。帰ってこないということですか？」
「ええ、そうよ。もう戻りたくないくらい幸福なのでしょうね」
「そうですね、羨ましいですね…」
教祖からは鬼の気配は感じなかった。だが、少し探りを入れる必要がありそうだ。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 夢主じゃ、童磨殿には敵いませんからね…😣しばらく地味な展開になりそうです😢 (2021年12月8日 7時) (
レス) @page12 id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - え⁉️😱夢主ちゃん⁉️よもやーーーッ (2021年12月7日 23時) (レス) @page12 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年10月18日 1時
