煉獄槇寿�� ページ26
「最近の炎柱様は、ますますお強くなられたようだ」
瑠火の体調が傾きかけ、槇寿��は少しでも長く瑠火の側にいるために任務を迅速にこなし、できるだけ早く帰宅した。他の隊士の目には頼もしい炎柱に映ったが、槇寿��の心には『炎柱の書』の文言が重く淀み、沈んでいった。
――どんなに努力を重ねても、大した者にはなれない。そして、神の寵愛を受けたかのような伝説の剣士でさえ鬼舞辻を屠ることはできなかった。戦っても戦っても終わりはないのだろう。もうやめてしまいたい…。だが、瑠火が望むなら俺はいくらでも鬼を狩る
折れそうな心の支えは瑠火だった。
・
ある朝、任務から帰宅し、玄関で草履を脱ぐ。まだ朝は早いが、いつもなら「お帰りなさい！」と出迎えてくれる筈の子供たちの姿が見えない。嫌な予感を何とか否定しながら、瑠火の待っている筈の寝室向かうと、泣きじゃくるAと、それを抱える杏寿��。その二人をキョトンと見つめる千寿��の姿。そして、その先に…。
声も出せなかった。ガクガクと脚を震わせ、そこに立ち尽くす父の気配に杏寿��が振り向き、
「母上が身罷られました」
絞り出すような声が静寂の中に響いた。
「…る、…か…」
槇寿��は、茫然自失で立ち尽くした。
・
瑠火の葬儀の後、槇寿��は涙も流せず、食事も喉を通らず茫然自失のまま自室に閉じ籠った。
「守れなかった。側にいられなかった。俺は何をしたかったのだ？先の見えない戦いに身を置き、愛する妻を看取ることさえできなかった」
「神や仏がいるならば、何故 俺に何も与えて下さらない。与えられないだけではない、何故 奪うばかりなのか」
「瑠火、これから先、俺はどうしたらいいのだろうか…」
＊＊＊
失意の底にいても、炎柱の重責を担う槇寿��の元に任務は容赦なく入る。崩れそうな体と心を何とか奮い立たせ、隊士の前では強く誇り高い炎柱を演じた。
「疲れた…」
任務から帰れば昼から酒を煽る。全てを忘れて眠りに就き、夜になれば何も考えず、取り憑かれたように鬼を斬る。徐々に、自分が酒に蝕まれていくのは分かっていた。そんな恥ずべき姿の自分の後を、妻の面影を宿した息子が目を輝かせて追ってくる。
「父上、稽古をつけて下さい！杏寿��はもっともっと強くなりたいです！」
もう、その真っ直ぐな瞳を見つめ返すことが出来ない。
「逃げたい…」
また酒が増える。いつしか愛すべき子供たちに稽古をつけることさえ、忘れた。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 今回は冨岡さんを多めに登場させる予定です😀冨岡さん、あんまりお喋りが得意じゃないから「難しいなあ」って、思うんですが、カッコいいのにどこか天然で可愛い人ですよね😃💕 (2021年10月16日 0時) (
レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - 冨岡さん登場😳✨夢主ちゃんも隊士になり、これから煉獄さんとどんな展開になっていくのか楽しみです✨✨ (2021年10月15日 14時) (レス) @page50 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
猫巻(プロフ) - 衣世さん» 衣世様、もう信じられないくらいカッコいいですよね！制作側に煉獄さんガチがいるとしか思えませんね💕 (2021年9月26日 14時) (レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 羽織わさっ！わかります！ぎゃあぁぁぁ(*/∀＼*)ニヤニヤが止まらないですよねっ！！ (2021年9月26日 10時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
猫巻(プロフ) - 桃平さん» 桃平さん、おはようございます😃ホント、楽しみですね！おこがましいですが、こっちの煉獄さんも公式様に負けないくらいカッコよくできるよう頑張ります🙋 (2021年9月26日 9時) (レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年7月7日 2時
