4話 ページ6
「なあお前ら！オレ、今日トレイさまに菓子作り教わって来たんだぜ！良いだろ！」
「よかったですね、寮長」「トレイくんはお菓子作りが上手いからね」「寮長は何を作られたんですか？」「たしかに、甘くて良い匂いがします」
放課後、寮の談話室へ大きな袋を持って訪れた愛らしい寮長に、寮生が沸く。
「お！もう匂いを嗅ぎ当てたかお腹空かし野郎共……じゃーん！お前らがこれからのテスト期間頑張れるように、クッキーいっぱい作ってきたぜ！……こっちにトレイの作ったのもあるから……トレイの作ったやつの方が焦げがなかったりちゃんと混ざってたりするから、トレイのは一人一つな！」
「寮長の作ったの食べます！」「寮長の作ったのがいいです！」「寮長の作ったのを食べさせてください！」
「……オレの作った方でいいのか？別に残ってもオレが一人で食うし……」
「寮長のが食べたいです！」「A寮長のがいいんです！」「いくら大好きなA寮長とはいえA寮長の作ったクッキーを独り占めさせる訳にはいかない！！」「A寮長の手作りクッキーじゃないと満たせない欲があるんです！」
「……へへ、お前ら本当に優しいよな。オレの作ったやつでいいならいくらでも持ってってくれ。でこっちはトレイが作ったやつ……」
心なしか目を潤ませながら肩を竦め、A寮長が大きな袋を逆さにしてクッキーの小分けされた大量の袋を机の上に出すと、寮生たちは我先にとクッキーを持っていく。一瞬で寮長の作った方のクッキーが売り切れ、その後に俺の作った方もすぐに売り切れる。Aは目を大きく見開き、歯を見せて笑った。
「もー、お前ら……本当にオレの事好きだよな！」
「そう言うんだったら不安そうな顔しないでくださいよ」
俺がそう声を掛けると、A寮長は俺に向かって手を合わせ。
「トレイのおかげだぜ、ありがたや〜」
「ウチの寮生だったらどんなに生焼けで黒焦げのクッキーでも、A寮長が作ったってだけで食べますよ」
「そうですよ寮長！」「僕ら寮長のこと大好きっスから！」
口々に同意する寮生に、Aは頬を染めて、口を歪めてツインテールで目元を隠し。
「……ほんと、オレは幸せモンだよ」
呟かれた言葉に堪らず寮生が数人彼を抱き締め、それを見た他の寮生も彼の元へ駆け、Aはもみくちゃにされる。もみくちゃにされながらけらけらと幸せそうに笑うAの顔は、ずっとその顔で居てくれとその場に居る全員に心から願わせるような表情で。
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功徳(プロフ) - オパールさん» 完結しているのでよろしければ続編に行っていただいて最後まで読んでいただけると嬉しいです🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - すんごく面白い！です。 (11月10日 20時) (レス) @page50 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - 自分さん» はい！フォロバして頂いてました！こちらこそありがとうございます！テスト期間終わったらどんどん読んでこうと思います(≧▽≦) (2022年7月4日 20時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» ありがとうございます〜恐らくフォロバしていると思います〜引き続きよろしくお願いします〜 (2022年7月4日 8時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
チョコドーナツ(プロフ) - 初めましてー！ネッ友からの紹介で殴れ、リドルを少しですが読ませて頂きました！凄く面白いです！あ、Twitterもフォローさせて頂きました！✨ (2022年7月3日 19時) (レス) id: 915577a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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