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いちばんでいたい ページ43

「どうすっかねぇ……」


Aは非常に頭を悩ませていた。自らの領分と他者の領分をきっちり分けて考え、必要以上に手出しをすることを避け、自らのことに対して没頭することができる──彼の頭を悩ませられる存在は、あまり多くはない。


『A先輩、付き合ってください……!』


そう言って薔薇の花束を差し出してきた下級生を思い出す。──しかし、悩んでいる理由はそれそのものではない。

Aは、1年の頃から──当然といえば当然──上級生下級生同学年、果ては他校の人間、麓に住んでいる人間──など所属、そして性別も問わず──こう言った誘いを受けることが非常に多かった。しかし、それを受け入れるメリットを受け入れるデメリット以上に感じたことなどなく、いつも「悪い、恋愛がわかんねぇし、魅力感じねえしめんどくせえ」とこの上なく素直に心情を吐露し断っていたが。


(リドル……オレが恋人作ったら少しはオレに遠慮して別の奴のとこ行くようになったりすっかな……トレイもケイトもオレも来年居ねぇし……)


もしもそれがリドルがきょうだい離れする機会になるのであれば、デメリットよりメリットの方が大きい──と、Aは判断した。してしまった。


『……ちょっと考えさせて貰っていいか?』

『……え!!?』


花束を受け取りそう返答したAを、信じられないという目で見つめて『わ、わかりました!!お待ちしております!!』と真っ赤になり踊りあがりながら去って行った後輩は、恐らくAが告白を断り続けていることを知っていたのだろう。

そのすぐ後だった。予習がひと段落つき携帯を手に取ると、そこには少し予想外の量の通知があり。

あの後輩が『考えさせて欲しい』とAが返答したことを言い触らしたらしく、それなら私も僕も俺もと、Aがやっと恋愛に興味を持ち始めたと──過去断った相手からも──お前オレのことそんな目で見てたのかよという相手からも──お前がそういう目でオレのこと見てたのは知ってたけどそれ言う勇気あったのかという相手からも。


「いやマジで……どうすりゃいいんだ……」


困り果て、マレウスかリリア恋人になってくんね?と肩を竦めて手を合わせると──マレウスに「ふざけるな」と若干本気の怒られ方をしてしまい、Aは眉を下げた。

・→←ここからおまけ



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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける!素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ! (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ウワーありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました!!読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした!✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……!!!🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ヤッター‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月25日 7時

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