70話 ページ23
自らの服を掴み腹に顔を埋めながらもごもご言っているリドルの髪を耳に掛けていると。
「……いや、でも、どうしよう……最低かもしれない……いや、最低だよ……」
「どうした？聞かなかったことにしてやるから言うだけ言ってみろ」
そう言うと、リドルは、非常に苦しそうにして、自分の顔を腕で隠して。
「あの……もしキミが暴力を振るわれたら、ボク、お母様に対して愛想を尽かせられそうな気がする……なんて」
「っは！？はははは！めちゃくちゃ面白ぇじゃん！いいよいいよ、殴られない未来が見えねぇし、生産的な暴力なんて受けたことねぇし、殴られた時どんな気分になるのか気になるよ」
「……」
「なんかそう言われると行くの楽しみになってくるの面白ぇな」
「……」
「芝居打ってわざと殴られるよか普通にしおらしくしてて殴られた方が愛想尽かせそうだし、普通にしてるよ」
「……それでキミが暴力を振るわれなかったらいいんだけど」
「まず無いと思うが……振るわれなかったらどうする？」
「その時はもう一回キミと相談させておくれ。一度こっちへ帰ってきて……」
「わかった。……いいよリドル、オレ全然いいよ。薬管理されるよりこっちの方が全然いい」
「そんな気はしたけど……」
ただし、とAはリドルの眼前に指を一本出す。
「殴るなよ、親を」
「……殴れないよ」
「だったら良いが……どっちか殴られたらさっさとおさらばだ。行動の予想がついてるし、ここっつぅ逃げ場がちゃんとあるのに暴力振るうのは、ただ暴力振るいたくてやってるだけだし……それは母さんのやってることとあんま変わんねぇよ」
「キミみたいに優しい人が、どうしてお母様のお鼻の骨を折るまで……」
「……、まあ兎に角、マジでやめろよ。お前が頭に血のぼってたらオレも止めるが……」
「大丈夫だよ……キミに殴れって言われてもいっぱい躊躇しちゃうのに……そんなにボクって血の気が盛んなように見える？」
「……わかった、いいよ」
反射的に手が出た経験など、あの時の一度以外Aにも無かった。だからこそ、少々腐心してしまったが。
リドルと体格の変わらない自分が殴られているのを見たところで、あの時の自分ほど頭に血が上ることはないだろうと、それにリドルは手が出る前に魔法が出るだろうと──そう思った。
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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける！素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ！ (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ｳﾜｰありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました！！読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした！✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……！！！🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ﾔｯﾀｰ‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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