68話 ページ21
「……それじゃ良くなるものも良くならないよ」
「うわーすまんって。でも長い間処方されてるからこんなに余ってるだけで、しょっちゅう飲んでない訳じゃないぜ」
「……あの、多分キミは嫌がると思うんだけど、お願いがあって」
リドルのその表情は、おずおずと言った感じで。まるで物を壊したことを報告してくるような雰囲気すら感じた。
「……なんだ？」
「あの……ボクに薬、管理させてくれないかなって」
「は？」
「……お願い」
リドルはお願いと言う体裁を取ってはいるものの、�犒�がると思う�瓩箸いα庵屬�をしながらそれを頼んでくるということは、かなり意思が強いのだろう。
溜め息を吐く。恐らくリドルは、飲み忘れを恐れているのもそうだろうが、一番の目当ては頓服──気分が落ち込んだ時に飲む薬──をいつ飲むか、どう言う時に飲むかを把握したいのだろう、と察してしまい。
弟に甘いAとて、弟にしんどいと吐露せねば薬を飲めない状況に置かれるのが嫌ではないとは思えず。そして弟に薬を渡せば、素直に辛いなどとは言えず、頓服を飲むべき時に飲めなくなるだけの結果になる気がして。
「……いや、断る。すまん」
「キミがどういう時にそういう気分になるのか知れたら、ボクも手助けできることが増える気がするんだけど……」
「駄目だ。恥ずかしすぎんだろ、弟に辛いから薬くださいって……余計しんどくなりそうだ」
「……やっぱりそうだよね。じゃあ、飲む時時々、気分が乗ったら見せてくれるかな」
「……まあそれなら……いやちょっと待てお前、アレだあの……ドアに顔のやつやったな？息するみてぇに……」
最初に大きな要求をして断らせ、2番目の要求を聞き入れられやすくする手法を──至って自然に使ってきたリドルに、コイツすげぇなぁ、と警戒の前に感心が立つ。
リドルは目を逸らして肩を竦めて。
「……ごめん、キミのことをもっと知りたくて」
「あー……いいよ。別に謝ることでもないだろ、それにオレは弟上様の頭がキレてると嬉しいぜ」
「ふふ、ボクもキミが気付いてくれて、嬉しくなったよ」
「怖ぇー……」
最近はかわいい側面しか出していなかったけれど、そういえばコイツこういうところあるよな、と思い出して。
そんなところもかわいく思えてしまう自分に少しだけ危うさを感じながら、リドルの頭を撫でた。
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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける！素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ！ (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ｳﾜｰありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました！！読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした！✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……！！！🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ﾔｯﾀｰ‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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