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50話 ページ3

「ふふ、じゃあボク、……じゃ……邪魔になったらちゃんと言うから、それまでは肩入れして欲しいな……なんて」

「……」


まるで自らの言う言葉のようなことを吐く弟は、照れ臭げに、恥ずかしげに。


「……あの、邪魔になんて、ならないと思う、……けど」


耐えられなかったのか、自らの髪の毛を片手で弄りながらそんな言葉を付け足す仕草に。


「はー……ダメだ」


まだ1人にできねぇ、なんて思いが押し寄せて。

片手で勢いよくリドルの肩を抱いた。


「ふふふ。良いものを見た。またやらせろ」

「……」

「ぁ……マレウス先輩、ありがとうございました!」

「よい。では」


そう言うが早いか消えるマレウスは、最後にふんと鼻で笑いを残していき。

もう本日二桁に到達するかもしれない溜め息をAへ吐かせた。


「マレウス先輩のところに行っていたのかい?」

「ああ……そうだよ」

「あ、そうか寮長会議のことを踏まえて寮長同士で守秘義務があることを何か話さなければならなかったのか……」


誤解をしているリドルの誤解を解く気にも全くならず。


「……でも、……ふふ。ダメだな、本当に嬉しいんだ」

「……」

「ねぇ。側にいてなんて、ボクがキミにお願いしていたことじゃないか。それをキミも思ってくれているなんて」

「……うん」

「いつ、離れろと言われるか怖かったのだけれど。……もう、怖がらなくていいかい」

「……いいよ」

「……本当に、よかった」


いいよ、と言ってしまった自分を見て、心の中の自分が、自然にオレまだ死ねねぇな、と言うのを目撃して。

何もかもマレウスの思う通りじゃねぇかクソが、と思いながら、愛おしすぎる弟の頭を撫でた。

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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける!素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ! (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ウワーありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました!!読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした!✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……!!!🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ヤッター‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月25日 7時

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