67話 ページ20
上体を起こして、Aの身体を抱き締め頭を撫でるリドルは。
「苦しいね、苦しかったね」
「……もう嫌だって」
「こんな気持ち味わったの、はじめてだ」
愛する人から異国語の、読めない手紙を渡されて、数年かけて辞書を手に入れて、わくわくしながら少しずつ読んだら、全てが罵詈雑言と憎悪の言葉だったみたいな気持ちだ。
リドルはそう自らの気持ちを表現した。そんな表現をする元気があることに、そんな表現をするほど事態を客観視できている様子に、Aは驚いた。過去の、頭を止めて、ただ笑うしかできなかった自分を見つめる。
「1人じゃないからさ」
リドルはそう言って、尚もAの頭を撫でた。
「なんでお前、そんな生きたがってんだよ」
お前が、リドルが�狃�わりにしようぜ�瓩噺世Ω斥佞鱒�いてくれたら、終わりにしてやるのに、と恨めしく思う。
「ボクの大好きなAが、有名にならないまま死んじゃうのが嫌なんだ」
「……」
「有名になったら、キミの過去してくれたこととか全部自慢する。したいんだ」
「……」
「それで、キミのことを凄いって言ってる人に、そんなことボクはエレメンタリースクール入る前から知ってたけどね、って顔したいんだよ」
「……オレはそんな凄い奴じゃねぇよ」
「絶対に凄いよ。だって、ボクだったらこんなの1人じゃ絶対に……耐えられなかったもの」
リドルの向けてくる無邪気な笑顔に、深い深い深い疲労感が、もう身体も頭も動かす必要なんてないと、全てに意味がなかったしもう全部辞めてしまおうと誘う徒労感塗れの身体が、手がしかし、息をするように自然にリドルの頭を撫でるので。
別にオレも一人で耐えられてた訳じゃねぇよと言う前に。
ああ、とどこかで自分がまた、絶望してしまった。
「……っていうかA、どうしてこんなに薬があるの？ちゃんと医師の処方通りに飲んでたらこうはならないだろう」
「やっぱそれ気付くよな……」
「気付くよ……」
曲がりなりにも医者の子どもである以上、その違和感には当然気付いて然るべきで。
「思いのほか長く外出したり、1日中寝てたりとかしたら余っちまっただけさ」
「ふーん……」
「飲んでるとこ誰かに見られたくねぇし、薬持っていっても飲むタイミングが無かったりして……」
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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける！素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ！ (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ｳﾜｰありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました！！読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした！✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……！！！🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ﾔｯﾀｰ‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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