83話 ページ36
リドルに手を引かれて着いた先は、思った通り、父親の部屋の前だった。
「……どうしても、やりたいことがあるんだ」
「……8割がた想像つくが」
「見ててほしいんだけど、だめかな」
ここで自分が首を横に振ったら、リドルはそれに素直に従うのだろうと思った。素直に従って、一生それを引き摺り続けるのだろうと思った。
それなら。それならば。
「好きなだけやれよ。満足するまで見てるから」
ちゃんとここで清算を済ませて、その責任を少しでも持ってやるのが──1番リドルが納得できて、苦しまない方法だと、そう思った。
リドルはちょっとだけ泣きそうな顔をして。
「Aは本当に優しいね」
「もういいよ、わかったよオレがお前に優しく見えてんのは」
頓服が効いてきた気配はするものの、気分は最低のままだ。胃がキリキリする。喉の奥に何かが詰まっている感覚がある。軽く吐き気さえする。
リドルがそれをやりたがる理由は間違いなく、自分の背中を見た故にだと、その上で自分を好いているからだと、そう確信できるから。
自分の仕返しを自分を慕う弟にやらせるなど、本人が望んでいるとしても絶対に嫌に決まっている。しかもその上で、さっきリドルともAともハグをしていた、あの父親に。まだ自分が殴る方がマシだ。加えて、ただ見ているだけで居なければならないのが尚更辛い。せめて一緒に殴る方がマシかとすら思うが、それでは対等ではないから。
でも。これは、そんな思いをしてまで──やらなければいけない儀式だった。清算する為に。綺麗にして、次の場所へ心置きなく行くために。
「……大丈夫、オレはお前を肯定するよ」
「……」
「ちゃんと見てる」
「ありがとう」
リドルはそう言って微笑み、こんこんこんと父親の部屋へノックをした。
「お父様、少々宜しいでしょうか」
「……？リドル、どうしたんだい」
「Aも一緒に居ます。少しお話したいことがございまして……」
「ああ良いよ、どうぞ」
扉を開けてくれた父親の部屋へ入り、促されるまま長椅子へ二人で座る。リドルはポケットからスマホを取り出して。
「……お父様、この映像を見ていただきたいのですが」
「ん……？何だい？Aとリドルが映っているね……？」
「NRCにて、ボクとAが寮長を交代した際の、決闘の映像です」
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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける！素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ！ (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ｳﾜｰありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました！！読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした！✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……！！！🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ﾔｯﾀｰ‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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