7話 明晰夢と錯覚した朝 ページ9
1晩寝るとどうも、昨日のことは夢だったのではないかと錯覚する。
抱きしめられた?そして、抱きしめ返した?
私は、作り置きの朝ごはんを食べて、顔を洗って歯を磨いて、制服に腕を通した。いつもと変わらない動作。
ただいつもと違うのは、あの夢を見なかったことくらいだ。
教室に入ると、私の席には飛雄が待ち構えていた。
影山「A」
『おはよう飛雄。何?』
影山「……はよ。マネージャー、やるよな?」
なんだ。そのことか。
そんなの、やりたいに決まっている。
けど。
私は、部活に打ち込んでもいい人間なの?そもそも、生きていて良いのかもわからない。
ただ、父さんが許すはずがないというのだけは、わかる。
黙ってしまった私の様子を見て飛雄は、別に今すぐって訳じゃねえからいい……と席に戻ってしまった。
ほんとは、聞きたくて私の席に待ち構えていたであろう飛雄は、遠慮したのだ。
遠慮、させてしまったのだ。
もし、許されるのであれば。バレー部に入りたい。休み時間、私は悶々と考えながら廊下を歩く。次の授業は美術だった。
日向「わあっ!ごめん!」
人にぶつかってしまった。何やってんだ、私は。
『あ、ごめんなさい』
日向「い、いえ!……あ、影山の!」
バレー部の部員だろうか。そういえば居たような気もする。
『どうも』
日向「マネージャーなるの?」
人懐こい笑顔だ。私には出来ない。
『……わかんない』
少し小柄な少年は、首を傾げた。
日向「バレー、好きじゃねえの?」
『好き、だけど……』
日向「影山に誘われたんじゃねえの?」
『……誘われた』
日向「影山、嫌いなの?」
私は首を振った。
彼はまた不思議そうに首を捻る。
日向「じゃあ、なんでなんねえの?」
だって、そんな簡単な話じゃ、ないでしょ。
この人は、それでいいかも知れないけど、私は。
日向「好きにしてなにか悪いことでも起こるの?」
『……』
別に、何も起こらないと思う。
やってみても、いいのかも知れない。
あ。
まだ何もして居ないのに、罪悪感が溢れた。
ごめんなさいを、吐き出しそうになって口を押さえる。
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次は急展開!であることを願いたいですね。(おい)
今のところ主人公は守られてばかりですが、自分から行動しないと、結局はなにも変わりませんよね。
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鈴松しおん@受験により低浮上(プロフ) - ぼんじんさん» 私が調べた方では本だったので誤差かもしれないです、申し訳ないです…こちらこそ返信ありがとうございます。 (2020年1月7日 15時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
ぼんじん - 鈴松しおん@誤字り姫@受験fuc○さん» 幼馴染の定義について調べましたが、明確な年齢はヒットしませんでした。幼馴染と言える年齢については匙加減なのでは?とは言え、確かに小2からは微妙だったかもしれませんね。ご指摘ありがとうございます。謝罪なんてとんでもない!細かく見てくださって嬉しいです。 (2020年1月7日 11時) (レス) id: 009ada25a1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴松しおん@誤字り姫@受験fuc○(プロフ) - ごめんなさい、細かいようですが小2では幼馴染とは言いませんよ。最低でも小一からです。幼馴染の定義は2〜6歳までの時に親しくなった人というものです。 (2019年11月21日 13時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
ぼんじん - どうもこんにちは。作者のぼんじんです。完結編の方に、先程お話を更新しました、というお知らせだけさせていただきます。見て頂けると幸いです。 (2019年7月15日 14時) (レス) id: 17a047e34b (このIDを非表示/違反報告)
ぼんじん - あ る ひさん» ありがとうございます!文章は、自分なりに頑張って書いているので、褒めて頂けるのはすごく嬉しいです!精進します!! (2018年12月29日 1時) (レス) id: 4504acb9f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぼんじん | 作成日時:2018年6月8日 21時