特効薬は君じゃない【ハイキュー！！】影山飛雄

24話 ただいま、ごめん。 ページ26

一睡もできなかった。
ゆっくりとベッドから起き上がる。

多分今日も飛雄は迎えに来てくれないだろうから、比較的遅めに支度をする。

朝練に間に合うかな。
寝不足の回らない頭でぼんやりと考えながら、ワイシャツのボタンを留めていく。









制服に着替え終わった辺りで、インターホンが鳴った。






『飛雄……？！』


もしかしたら、仲直りできるかもしれない。昨日の我儘を、無かったことにできるかもしれない。

私は急いで玄関のドアを開く。









『え……？』









飛雄ではなかった。

兄だった。



大きなリュックを背負って、キャリーケースに手をかけている。2ヶ月ぶりの兄だ。
いかにも優しそうな目が、黒縁眼鏡の奥から覗いていた。









私が驚いている間に、兄は、リュックを投げ出して、私に駆け寄った。









蒼真「A」







勢いよく抱きつかれる。

訳がわからない。









『蒼真……君……』







懐かしい名前だ。2ヶ月ぶりに私が発した名前を、蒼真君は噛みしめるように、抱きしめる腕に力を込めた。









蒼真「ただいま。…………ごめん」









開けっ放しのドアで、リュックを放り投げて、私に突然抱きついて、謝る蒼真君。





控えめに言って、死ぬほど驚く。



今までこんなこと無かったはず。

距離が近い。







『少し、離れて……』



そう言って、私が蒼真君の肩を叩こうとした時だった。









影山「…………Aと、蒼真君？！」







このタイミングでは会いたくなかった。

何で飛雄も遅い時間に家を出ているのだろうか。

影山「どういう状況だ……？」








こちらが聞きたい。









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お忘れかもしれませんが、Aには実は兄がいました。

東那 蒼真
25歳
猫っ毛でふわふわした髪です。

初登場ですね。
唐突すぎる登場で申し訳ない。

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