episode76 平和学習2 ページ30
昼飯を食べた後は、本日一番のメイン、ガマ体験。
私たちは糸数アブチラガマというところに入る。
ガマというのは沖縄の方言で「洞窟」や「くぼみ」のこと。
沖縄戦では、この自然洞窟が住民の避難場所になっていたそうだ。日本軍の作戦陣地や野戦病院としても利用されたいたらしい。
私たちの入る糸数は、全長何と270m。当時ガマの中は６００人以上の人で埋め尽くされていたらしい。
そこにはもちろん、兵隊や看護師、一般住民にひめゆり学徒隊もいたそう。
水滴が落ちてくるらしくメルメットをかぶってり、懐中電灯をつけガマの中に入った。
急な階段が位置口にあり、当時はこんな階段なんかなかったから、足場も悪いのにどうやって入ったんだろうと疑問を感じた。
階段を降り切ったら、そこは案外広々としていた。ただ、じめじめと蒸し暑い。
友人数人が私の腕をつかんできた。
「なに」
「とりあえずAにつかまっとけば大丈夫」
そうだね！とほかの友人が勢い良くうなずく。
私を何だと思ってるんだ。
「みなさん、大丈夫ですか」
ガマの中を案内してくれる伊波さんの声がガマの中でこだまする。
そこの声を聴いた途端すっと波が引いていくように静かになった。
「ここが入口です」
何とも雰囲気のある話し方だ。
力の入っていなさそうな声なのに、妙に真剣さを感じる。抑揚のつけ方がうまい。
ガマの奥に入っていく。
最初についたのは当時看護師と患者以外は立ち入り禁止区域だった場所。
そこにいた患者は、もう絶対助かることのない、破傷風、脳傷患者の人たちがいたそうだ。
ここには一切空気孔もなく、日の光が入ってくることはない。死だけを待つ場所だと、伊波さんがそう云った。
息が詰まる。
泣きたくなった。
女子なんかはもうすでにほとんど泣いているけど。
「それではみなさん、一度懐中電灯を消して、その暗さを体験してみましょう」
伊波さんの合図で全員の電気が消える。
真っ暗だ。何も見えやしない。
腕に感じる友人の体温。強く握られている腕。
それがあるから怖くはない。
だけど、だれもいなくて、死ぬだけに一人だけ。それってどんな状態なんだろう。
そんなとき、私はどうなるんだろう。
電気を消したのは数秒だけで、伊波さんの合図とともに明るくなった。
皆がほっと息をつくのが分かった。
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葉奈(プロフ) - 萌菜さん» いつもいつも本当にありがとうございます!!すっごい嬉しいです！がんばります!!! (2013年11月17日 13時) (
レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
萌菜(プロフ) - 私やっぱり葉奈さんのファンです！１,２と一気に読みましたが、最っ高に面白かったです！！ (2013年11月17日 10時) (レス) id: c538a33189 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 葉奈さん» おう！ (2013年11月13日 19時) (レス) id: 9546e088aa (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - うちわさん» ありがとー！がんばるね!!これからも読んでやってくれ(( (2013年11月13日 19時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 葉奈さん» そう？私は葉奈を応援してるからね！誰がなんといおうと←更新楽しみに待ってるね！ (2013年11月13日 19時) (レス) id: 9546e088aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2013年9月2日 17時
