episode71 少年少女、空の旅 ページ25
離陸する瞬間の、あの歯や内臓が浮くような感覚が嫌いだ。
そんなことを考えていると、飛行機はどんどん加速していく。
窓側の私からは外の滑走路が見えている。
景色はどんどん後ろへ遠ざかり、あっと思った瞬間に機体が浮く、私の内臓も浮く感覚。きもちわるい。
機内からは女子の黄色い声と男子の歓声。
飛行機に乗るのはこれが6回目くらいだ。
父親が海外で仕事をしているせいか、何度か乗った記憶がある。
前に乗ったのは確か中学2年の冬。
アナウンスで、しばらくシートベルトを外さないようにと入った。
生徒たちの中には、すでにトランプなどをはじめている子もいれば、なぜかもう昼用のご飯を食べている子もいる。
窓から眼下を見渡すと、すべてがおもちゃみたいに小さくなっていく。
上から見ると、どこが影っていて晴れているのかということも分かる。これが楽しい。
隣に座っていらクラスメイトが、興奮した様子でずっと何か話している。
飛行機が初めてらしいのだが、怖がった様子はない。
むしろ今の状況を最大限に楽しんでいた。まあ、そういう子だ。
しばらくするとシートベルトのランプが消え、再度アナウンスが入る。
周りの学友たちは、何の用かまばらに立ち上がり席を移動していく。
私はその場に座ったまま、すでに何度目かわからないあくびを漏らした。
沖縄は初めてだから、楽しみなのはそうだが、やはり眠い。
昨日はもっと早く寝ればよかったと後悔。
「A寝るの？」
「昨日夜更かししすぎて……」
「あー、あんたならわかる気がする。つくまで十分に寝なさい。おやすみ」
クラスメイトはそう云って、軽くおでこのあたりを叩いた。
「おやすー」
答えて目をつむる。
機内の騒々しさが、なぜか今は心地いい。
興奮した様子のみんなの声、行動。
そこでハッと気が付く。
ああ、私も結構楽しみだったんだな。
そう思うとなんだか恥ずかしい。
私は少し唇を結ぶと、席にもたれかかった。
きっと目を開くころには、沖縄の空を飛んでいるだろう。
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葉奈(プロフ) - 萌菜さん» いつもいつも本当にありがとうございます!!すっごい嬉しいです！がんばります!!! (2013年11月17日 13時) (
レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
萌菜(プロフ) - 私やっぱり葉奈さんのファンです！１,２と一気に読みましたが、最っ高に面白かったです！！ (2013年11月17日 10時) (レス) id: c538a33189 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 葉奈さん» おう！ (2013年11月13日 19時) (レス) id: 9546e088aa (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - うちわさん» ありがとー！がんばるね!!これからも読んでやってくれ(( (2013年11月13日 19時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 葉奈さん» そう？私は葉奈を応援してるからね！誰がなんといおうと←更新楽しみに待ってるね！ (2013年11月13日 19時) (レス) id: 9546e088aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2013年9月2日 17時
