episode69 冷気に身を包み ページ23
朝の空気は冷たく冷え切っていた。
ホームに吹く風はそれこそ吹き抜けていて寒い。
首に巻き付けたマフラーに顔を埋めながら、私はあくびをかみ殺した。
「あ、Aちゃん。おはようございます」
後ろから声がする。
振り返ると、まだ少し寝癖のついた遥が身を縮こませて立っていた。
私は「おう。おはよ」とひとことだけ返し、今度こそ大きなあくびを漏らす。
「寒いですね」
「なー。こんなんなら修学旅行なんて行かなくていいや」
「そんなことないですよ。それに沖縄は暖かいみたいですし」
「寒いだけじゃなくて眠いんだよね」
そしてまた私は、無意識に口を開く。
「また夜更かしですか」
「んにゃ、昨日は12時には寝た」
「朝何時に起きたんですか」
「6時くらい？」
「よく6時半の電車に間に合いましたね。さすが」
「だろ？」
そういうと遥がくすくすと笑う。
そうこうしていると、ホームにアナウンスが響いた。
もう電車が来るようだ。
隣に立つ遥があくびをしたのが分かる。
けれど、大きな荷物は前日に沖縄に送るってのは助かった。
こんな朝っぱらからキャリーを引きずるを想像するだけでげんなりする。
今持っているのは小さめの鞄。
私は横掛けで、遥はリュックをしょっている。
目の前を強い風が通り抜けたと思ったら、すでに電車が止まり扉が開くところだった。
私は遥と二人、電車の中に入る。
なんとなく暖かくて、それが原因でもっと眠気が襲う。
二人がならべるように開いている席に腰かけると電車が発車した。
揺られていくうちに会話も減っていく。
「……やべ、寝そう」
私がそうつぶやくと、遥がくすりと笑い、私に顔を向けた。
「寝ちゃっていいですよ。どうせ終点ですから。ついたら起こしますね」
遥の言葉に、なんと返したのかは覚えていない。
しかしその言葉を聞き届けた後の記憶は途絶えた。
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葉奈(プロフ) - 萌菜さん» いつもいつも本当にありがとうございます!!すっごい嬉しいです！がんばります!!! (2013年11月17日 13時) (
レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
萌菜(プロフ) - 私やっぱり葉奈さんのファンです！１,２と一気に読みましたが、最っ高に面白かったです！！ (2013年11月17日 10時) (レス) id: c538a33189 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 葉奈さん» おう！ (2013年11月13日 19時) (レス) id: 9546e088aa (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - うちわさん» ありがとー！がんばるね!!これからも読んでやってくれ(( (2013年11月13日 19時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
うちわ(プロフ) - 葉奈さん» そう？私は葉奈を応援してるからね！誰がなんといおうと←更新楽しみに待ってるね！ (2013年11月13日 19時) (レス) id: 9546e088aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2013年9月2日 17時
