僕等２ 【オリジナル】

episode49　　位置について ページ3

「弘。2組行かねえの？」

鞄を持ち弘に問いかけると、「おお」とだけ云って席をたった。




「A！弘！遅いよー！」




その瞬間、元気な声が教室に響いた。

「悪い、今行こうと思った」

「つーかお前らが来いっての」


「弘ひっどーい。人のことばっかり働かせてー」

「そうよそうよ！速見くんひどいわっ」



優真と春秋がまるで打ち合わせていたかのように声を上げた。

弘は2人の頭を通りすがりに殴ると、スタスタと廊下を歩いていく。


「あーあ、お前らのせいで弘が拗ねちまったじゃねーか」


「えー、また俺らのせい？」

「お前らのせいだ。ほら、行こうぜ」

私が笑いながら歩き出すと、後ろから春秋の声が聞こえる。


「校門までね！ビリはコンビニでお菓子おごりっ！よーい･･････」


「は？」


「ドーン!!」

その瞬間、私の後ろから風が吹く。

いや、風のように走り去る優真と春秋だ。
その後ろを、可愛く遥が走る。


女子だっ！


っていやいやそうじゃなく！


「ふざけんな！まてっ！」


私は廊下の喧騒を気にせず、4人の背中を追って走った。



「廊下を全力疾走するなああああああああああ!!!」



気にしない気にしない。

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