救済18 ページ19
そう言うと鳴狐と乱藤四郎の差し出された手を借りて立ち上がった。
少女は確かに致 死量の血を流した。
その証に着物は血だらけだ。
｢人の子に切られたのは何時ぶりだったか……｣
そう言いながらふわりと髪を後ろに払うとその声色が変わった。
｢残念だったなぁ…人の子よ生憎とこの程度では死 ねぬ体でね｣
瞳が黄金色に輝く
冷たい光を宿したその瞳が前任に向けられるとガタガタと震えながらバケモノ……！と掠れた声で呟いた。
少女はその言葉に一瞬、悲しげに瞳を伏せると冷たい声で言った。
「バケモノ…ねぇ…」
そう言うと左手に桜の花びらが集まり刀が現れた。
｢興が冷めた｣
そう言って彼女は前任の首を落とした。
前任の遺 体を鬼火で跡形もなく燃やすと刀剣男士達に手をかざす。
ふわりと暖かな風が吹いてその場にいる刀剣男士たちの傷が跡形もなく消えていく。
霊力だけで手入れをしたのだ。
明石国行は静かに立ち上がると主である少女の隣に立ち真剣な面持ちで告げた。
「この人が自分らの新しい主や。救ってもらった恩を仇で返すっちゅーんやったら自分も手加減しまへんからそこんところよろしゅう頼んます」
それに対して乱藤四郎と鳴狐も少女のそばにより仲間達を振り返った。
それに声を上げたのは彼らの兄弟でも無ければ同じ刀派でもない白い青年だった。
「これは驚いたなぁ……人間を簡単に許すのか？どんな術を使ったのかは知らないがその程度の恩で我らの屈辱が晴らせるとでも？」
金色の瞳は少し赤が混じっている。
このままでは闇堕ちしかねない。
それに対して少女は凛とした声で言った。
「私は、絶対に貴方達の嫌がる事はしない。暴力も夜伽もしない。約束しましょう」
それにザワリと空気が揺れた。
どうやら闇堕ちしかけているのは真っ白い彼だけではないようだ。
最も美しいとされる彼も、弟達思いの兄である彼もどす黒い瘴気を纏っており瞳の色も赤が混ざっている。
それでも少女は目を逸らしはしなかった。
ただ、真っ直ぐに見据えていた。
凛とした声で彼女は告げる。
「この場にいない方もいらっしゃるようですのでその方々の手入れは後ほど……離に来てくださればその方を優先的に治します」
そう言って桜の髪を揺らして彼女は離に向かって歩いていった。
もちろん、明石国行、鳴狐、乱藤四郎もその後に続いて歩いていった。
後ろから一期一振の声が止めようとするがそれを聞こえないふりをして主である少女に続いた。
ラッキーカラー
あずきいろ
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凛々 - 明石、ここでも寝てるのか...(ToT) (2019年10月24日 16時) (
レス) id: 9f94443348 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！続きが気になります！続き頑張って下さい！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜美舞 - めっちゃ続きが気になります！更新頑張って下さいね！ (2017年2月23日 0時) (レス) id: 5518585154 (このIDを非表示/違反報告)
華杏萌葱(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく読んでます！１６話読んで思ったんですが、乱ちゃんの鳴狐の呼び方、違ってませんか…？ばみちゃんにも兄さん付けてるし…。私の思い違いだったらすいません…。これからも更新頑張って下さい！応援してます！！ (2017年2月8日 12時) (レス) id: a23c971960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅じそつくね | 作成日時：2016年10月7日 2時
