救済14 ページ15
刀剣男士の1人があ、と声を上げるとその場にいた者達が全員振り返った
鳴狐を連れて歩く後任の審神者である彼女を見て彼らは道を譲る
桜色の髪がふわりと揺れると結界が揺れた。
前任の力と後任の力がバチバチと音を立てて対立している
淀んだ色の結界は彼女の清らかな桜色の霊力で破壊寸前だ
鈴を転がしたような美しい声が扉に向かってかけられる
「ここまで来たのに立てこもるなんて……」
面の下の瞳は黄金色に輝き鬼化していないことが不思議なくらいに苛立ちを表している
明石国行に詳しい話を聞くとどうやら破魔の結界らしく1度堕ちた彼には破れないらしい
「ほんまに、どこまでも腐ったお人やわ……」
そう言ってニタリと笑う彼は狂気をはらんでいる
紫が全員ここで抜刀した状態で待機するように言うとふわりと消えた
それに明石国行と鳴狐以外は目を丸くして驚いたが言われた通りに待機する
明石国行と鳴狐は楽しげに話していた
ーーー可哀想、可哀想。哀れな罪深き人の子
ーーー鬼に食われてしまえ
部屋の中では破壊一歩手前の小夜左文字を抱え震える前任の審神者がいた
物置として使われるこの部屋は畳5畳分程しかない
逃げ場はなくなったがこちらには人質がいる
痛みに呻く小夜左文字は涙を浮かべていた
自分のせいで兄達がさらに傷を作ってしまった
入口の一番近くにいたのは自分だった為無理やり着物の襟元を捕まれ抱えられたところを兄達は助けようとしてくれたのだ
彼らもまた、中傷であった
それでも刃こぼれのした自身を抜いて助けようとしてくれたのだ
痛みを押してまで助けようとしてくれたのだ……
掠れた声で兄様……と呼ぶと前任の審神者がうるさい!と怒鳴った
血走った目は恐怖に染まっている
ああ、自分はここで終わるのだ……
兄様達に何もして挙げられなかった……
涙が頬を伝うと同時にシャランと鈴の音が響いた
目の前でふわりと桜が広がる
そこには桜色の髪の顔を面で覆った少女がいた
前任は扉のそばに居るため後ろに気づいていない
声をだそうとするとその少女は人差し指を口元に当てて静かにと示した
言われた通り静かにすると彼女は手を伸ばし触れると一瞬で傷がなくなった
そのまま温かい霊力に包まれ薄暗かった視界が明るくなり目の前には部屋の前にいた刀剣男士達がいた
ラッキーカラー
あずきいろ
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凛々 - 明石、ここでも寝てるのか...(ToT) (2019年10月24日 16時) (レス) id: 9f94443348 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです!続きが気になります!続き頑張って下さい! (2018年11月25日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜美舞 - めっちゃ続きが気になります!更新頑張って下さいね! (2017年2月23日 0時) (レス) id: 5518585154 (このIDを非表示/違反報告)
華杏萌葱(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読んでます!16話読んで思ったんですが、乱ちゃんの鳴狐の呼び方、違ってませんか…?ばみちゃんにも兄さん付けてるし…。私の思い違いだったらすいません…。これからも更新頑張って下さい!応援してます!! (2017年2月8日 12時) (レス) id: a23c971960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅じそつくね | 作成日時:2016年10月7日 2時