救済10 ページ11
「先程から血の匂いがするのですが……どこかお怪我でも?」
そう少し口角を持ち上げながら問うとビクリッと肩が跳ね視線があちこち泳ぎはじめた
「な、私は怪我など!先程出陣から帰ってきた部隊長のものでしょう!今は手入れ部屋に居るはず!」
そう言いながらも視線は隣の部屋に
「……そうでしたか?なるほど、それで先程乱藤四郎様と鯰尾藤四郎様が手入れ部屋からでてきたのですね?」
その後は確か……小狐丸様がとさらににこやかに続けると前任は驚いたように目を見開き震えながら叫んだ
「そ、そんなはずはない!」
明らかに動揺している
「あら、何か間違えておりましたでしょうか?」
それに対してこてんと首をかしげてみる
茶番はここまでだ。
少し面をずらして右目だけ覗かせて鬼の力を使う。
瞳の色が黄金色に変わる
『本当のことを言いなさい。お前がしたこと全てを。嘘偽りなく語れ』
そう言うと目の前の男が勝手に動き真実を述べる口を驚いたように閉じようとするが無駄な抵抗だ
「ここに来た時からレアな刀剣は軟禁した。逆らったやつは見せしめに兄弟だという刀剣を折ってやった。そしてひと月の間地下の座敷牢に閉じ込めて拷 問した。短刀たちは気に入った者に夜 枷を命じたり拷 問にかけた。幼い子供が泣き叫ぶ姿を見ると興奮した。何振りかは拷 問中に折れてしまったが残ったものはさらに足を切り 落としたり目を抉 ったりと様々な実験をした。こんのすけは最初から俺を怪しんでいて俺のしていることを知られてしまったから封じた。刀剣男士には俺の事を斬れないよう言霊縛りをかけた」
ペラペラと真実が述べられていく
「なるほど……。わかりました。残念ですが貴方は黒だったようですね」
そう言って静かに立ち上がると掌の刻印から刀を取り出す
桜色の柄に赤い紐でくくられた鈴がチリンとなった
鞘は赤色でそこから抜かれた刀身は美しく明かりを反射した
「愚かな人間よ……。その罪、お前の命だけでは償いきれぬことを知れ。仮にも神に手を出した己を恨むのだな」
すると前任が悲鳴に近い叫び声を上げた
「み、三日月!!この女を斬れ!殺 すんだ!」
言霊縛りだろう
三日月は刀を抜く
力を弾こうとしているのか刀を握る手は震えている
私は動かずにただ、じっと三日月を見つめる
「逃げろ!いくら俺とて言霊には逆らえぬ!」
それに対して私は静かに言葉を発する
「生憎、敵前逃亡は致しませんので」
ラッキーカラー
あずきいろ
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凛々 - 明石、ここでも寝てるのか...(ToT) (2019年10月24日 16時) (レス) id: 9f94443348 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです!続きが気になります!続き頑張って下さい! (2018年11月25日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜美舞 - めっちゃ続きが気になります!更新頑張って下さいね! (2017年2月23日 0時) (レス) id: 5518585154 (このIDを非表示/違反報告)
華杏萌葱(プロフ) - 初めまして!いつも楽しく読んでます!16話読んで思ったんですが、乱ちゃんの鳴狐の呼び方、違ってませんか…?ばみちゃんにも兄さん付けてるし…。私の思い違いだったらすいません…。これからも更新頑張って下さい!応援してます!! (2017年2月8日 12時) (レス) id: a23c971960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅じそつくね | 作成日時:2016年10月7日 2時