【ツルネ】明日への音【男主】

Story23 ページ25

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『ん…』

湊｢兄ちゃん起きた？｣

そうだ､俺は倒れたんだった｡
手には安心感
湊が繋いでいてくれた｡

『湊､ごめんな｡』

湊｢いいよ､お互い辛いことは兄弟で乗り越えていこうって言ったのは兄ちゃんでしょ？｣

母さんが死んだあの日から､俺たち兄弟の中でできた約束｡
まぁ早気の時はお互い助け合いはなかったけど…

『そうだな』

湊の手は安心する｡
小さい頃から知っている手｡
あの時俺が離していなければ…

『……もう離さない……』

湊｢今なんて言った？｣

『いや､なんでもない｡独り言』

ｶﾞﾗﾗｯ

滝川｢大丈夫かーカナ｡｣

『マサさん』

滝川｢顔色は､大丈夫そうだな｡｣

『うん､…昨日見たんだよね』

湊｢え､マサさんしってるの？｣

滝川｢あぁ､カナから色々聞いてるからな｡
4年前にお前らの母さんが亡くなったことも､カナが8年前に起きた暴走車事件の唯一の被害者ということも｡｣

『そいうこと』

マサさんは信頼できる｡
なんでか分かんないけど､俺の勘？

マサさんには湊と似ているとこがあるのかもしれない｡

一緒にいて落ち着くんだ｡



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