検索窓
今日:13 hit、昨日:8 hit、合計:19,948 hit

*31* ページ32

.



.



「……」



行ってしまった。



さっきの会話を思い出しながら、私はその場にぼんやりと座った。



(……好きなんて……)



一つ目の返事は、もう決まっていた。



でも、もうひとつの返事は。



「……」



どうしよう。……私は、このまま楽になるべきなのだろうか。



しばらく考えても出ない答え。私はため息混じりに立ち上がり、再び校舎に入っていった。



静まり返った校舎内を一人歩く。その間をも、私の頭を埋めていたのは幸村くんだった。



そのまま一階へ降りてきたところだろうか。自然と、私の足が止まった。



「……、げ。」



小さく声が漏れた。



目線の先にいたのは、柳生先生……と、父親。



柳生先生に見つかったのもあれだけど、それよりもなぜ父親がここにいるのかわからなかった。



「忘れ物は見つかりましたか?Aさん。」



「……はあ。」



あー柳生先生ちょっと怒ってるかこれ。声のトーンが違う……



「原則、休日は校舎内には入れない決まりですよ。それに、お父様にまで迷惑をかけて。」



「……」



別に迷惑をかけたつもりなんてない。……勝手に探しに来ただけなのに、どうしてそんな言い方を。



「……なにはともあれ、よかったですね。真田くん。」



「ああ……引き止めて悪かったな柳生。……帰るぞ。A。」



「いい。一人で帰れる。」



「おいA。」



「ついてこないで。」



私は極力少ない会話を交わして、父親の横を通り抜け帰路についたのだった。

*32*→←*30*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
設定タグ:テニプリ , 幸村精市 , 死ネタ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

幻想曲(プロフ) - 射命丸霊夢さん» いやあ〜流石にないんじゃないでしょうかw想像すると面白いですけども……「やばい先生また悪魔化した!!」みたいな……扱い慣れてる生徒も怖いですがw (2015年7月26日 22時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
射命丸霊夢 - 赤也が体育教師て、なんか危険な感じがします(笑)突然デビル化なんてしたりするんですかねw (2015年7月26日 22時) (レス) id: c2430a94f4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru  
作成日時:2015年7月21日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。