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「柳生せんせー……」
扉を開けながら、先生を呼ぶ。でも、保健室には誰もいなくて、しんと静まり返っていた。
職員室にでも行っているのだろうかと考えたが、ふと今朝のホームルームのことを思い出した。
そう言えば、今日は柳生先生午前中出張だって言ってたっけ。
……あれ。でも、それならなんで保健室が開いているんだ?
その時。どこからか、ふんわりとした匂いが漂った。
……そうだ、これは私が昨日嗅いだ匂い。それじゃあ、もしかして。
「……A?」
「!」
カーテンを開ける音がした。奥から出てきたその人に、思わず心臓が跳ね上がる。
「幸村、くん。」
顔が熱くなっていくのがわかる。途端に、私の脳内を覆っていた何かが晴れた。
昨日と変わらない、花の香り。私がそこに立ち尽くしていると、腫れた頬に気がついたのか彼がこちらへとやってきた。
「A、どうしたんだい?これ。……誰かにやられた?」
「あ、いや、違くて……ちょっとバスケで。」
「ああ……痛そうだね。ちょっと待って。」
そう言うと彼は慣れた手つきで冷凍庫から氷を出し、袋に詰めて渡してくれた。
これだけ慣れているのは、やはり保健室暮らしが長いからなのだろうか……
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幻想曲(プロフ) - 射命丸霊夢さん» いやあ〜流石にないんじゃないでしょうかw想像すると面白いですけども……「やばい先生また悪魔化した!!」みたいな……扱い慣れてる生徒も怖いですがw (2015年7月26日 22時) (レス) id: 1deaa07922 (このIDを非表示/違反報告)
射命丸霊夢 - 赤也が体育教師て、なんか危険な感じがします(笑)突然デビル化なんてしたりするんですかねw (2015年7月26日 22時) (レス) id: c2430a94f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:幻想曲 | 作者ホームページ:http://uranai.amanoboru
作成日時:2015年7月21日 0時