Triangle 2

53 ページ23

「濱田さんのこと好きになる前から、
好きな人いるって気づいてたけど、
濱田さんのこと好きになってからそれを目の当たりにするとやっぱりなかなかきますね。
本当に中間さんの言ってた通り。」




「そやな。
でもだからって気持ちは止められへんやろ？」




「…そうですね。
残念ながらまだ好きです。」





「そういうもんやねんな、恋って。
辛いとわかってても止められへんねん。
きっと濱ちゃんもそうやろ。」




「濱田さん、本当に、ちな…
あ、好きな人のこと…」



「うん、わかってるから大丈夫やで。
濱ちゃん何年好きなんやろな。
もうちょっと攻めればええのにって俺は見てて思うねんけど。」




「そうなんですね…
濱田さん、ちなつ先輩の事はちょっとした変化も気づくみたいだから、
ちなつ先輩のこと思ってなかなか進めないのかな…」




「まぁそれもあるかもな。
ちなつやって好きな人おるやろし。
俺らに好きな人の話とかせぇへんけど、
見てたらそらわかるしな。」




「あ、そうなんですね。
さすが幼なじみ…。」




「濱ちゃんは、幼なじみの関係がいい時もあれば、苦しい時もあるんやないかな。
でも、この関係崩れるのも嫌なんかもな。」




「そっか…いい事ばっかりじゃないんですね。
なんか…私だって濱田さんのこと好きなのに、
こうやって濱田さんの恋の心配とかして…
何やってるんだろうって思います。」




「好きの形は色々あるから。
自分の気持ち伝えるだけが好きとちゃうんやなって２人見てて思うわ。
どうにか上手くいって２人とも幸せになってくれたらええんやけど。」




「中間さん…優しいですね。」




「俺は全然優しくないで。
俺は好きな人できたら、結構いってまうし。
２人みたいにはなれへん。」





「そっか…でも中間さんのそういうまっすぐ直球なところ素敵だと思いますよ。」





「…ありがとう。
りかちゃん…幸せになってほしいなぁ。」




また頭を撫でる。
中間さんの手から優しい気持ちが伝わってきて、
またなんとも言えない気持ちになった。

54→←52

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す