120 ページ20
昼過ぎに新幹線に乗り地元へ帰った。
重は駅まで送ってくれて。
「ゆり、これ。」
そう言って渡されたのは合鍵。
「あんま使う機会ないかもやけどさ、
お守りだと思って。」
「え、いいの?
スペアなくて重大丈夫?
なくしたら困るでしょ?」
「大丈夫。これゆり用に作ってん。」
「え!いつ?」
「ゆりがお土産買ってる時。
ATMやなくて、鍵屋行ってん。
ちょっと驚かせよ思って。」
「全然気づかなかった…ありがとう重。
ほんとにお守りだね。」
「今度来る時これ使ってな。待ってんで。
次会えるまでまたお互い頑張ろな。」
そう言って笑った重の笑顔は
とっても優しかった。
家に着いて一息つく。
お母さんに大阪のお土産を渡すと、
「あんたところで大阪に誰と行ってきたの?」
と聞かれた。
「あー…」
なんて言おうか迷っていると、
「…わかったわかった笑
お土産ありがとうね。」
何かを察した母がそう言う。
「重とまた付き合うことになった。」
気づいたら正直に言っていた私。
「え、重って高校の時に付き合ってた
あの重岡くん?
大阪行くとかなんとか…あ、そういうこと⁈
…よかったね。」
「ありがとう。」
少ない言葉で理解した母。
優しく微笑んでくれた母を見ると、
応援してくれるんだなと思って嬉しくなった。
自分の部屋に入ってゆかに電話をした。
「ゆか、重とまた付き合うことになったよ。」
「ゆり、ほんとにほんとにほんとにおめでとう!!
嬉しすぎて私が泣きそう。」
「ありがとう。ゆかにまた沢山勇気もらった。
今度は絶対重のこと離さない。」
「うん、絶対ね。
にしてもゆり、発言が男らしいね笑」
「そうかな?笑」
「うん笑
ゆり、ほんと強くなった。」
ゆかにも報告できて、
また少し付き合ったことへの実感がわいた。
20人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華 | 作成日時:2017年10月14日 14時