50 ページ ｲﾙﾐ ページ2
帰路に着くAの背中を見えなくなるまで見ていた俺の耳に聞き慣れた携帯の着信音が響いた。
画面を確認するとその相手はヒソカだった。
『なに？』
さっきまで忘れてた旅団の件が頭をよぎり、少し強めに言葉を発した。
『あれ？不機嫌？』
面白がってるであろうヒソカの声色に少し、眉間に皺を寄せた。
『Aと会ってたからてっきり上機嫌かと思って』
なんでコイツが知ってるんだ、そう思いながらも無視して俺は言葉を口にした。
『そんなことより、なんでクロロにAを紹介した』
『んー、気まぐれ？あ、暇つぶし』
俺の問いに更に面白がって答えるヒソカに苛立ちは増すばかりだった。
『で、明日2人はどこで会うの』
『そんな事ボクだってわからないよ』
クツクツと笑うヒソカ、嘘をついてるようには思えないけど、元々何考えてるかわからないような人、仕方ないと言うように溜め息をついて電話を切ろうと思ったが、それは止められた。
『ところで、Aは？』
『A？帰ったけど』
質問の意図がわからず、電話越しなのに無意識に首を傾げてしまう。
『さては、イルミ、ボクのあげた本読んでないでしょ。夜も遅いし、送ってあげないと』
呆れ気味、でもどこか楽しそうにしてるヒソカの言うことが尚、理解できない。
『どうして？Aは別に弱くないし送る必要は無いと思うけど』
その言葉に少しハッとする。
自分より弱いのは分かっていても、彼女の事を認めいる。
ずっと、見て見ぬ振りしていたこの感情にそろそろ向き合わなければならない事にも薄々気づいていた。
戸惑い。今まで、正確には記憶を消してからは初めてかも知れない。
その先にある物にはまだ気付きたくはない。そう思いながら考えを振り払いヒソカとの会話に集中する。
『そういう問題じゃ無いんだよね……』
もっとも、そう思ってる以上、俺はその感情に気づき認めているのかもしれない。
ただ、自分を保つために気付いていないフリをしてるだけ。
『あれ？聞いてる？』
どうやら喋り続けていたらしいヒソカに、確認を取られる。
『なにを』
『だから、もっと一緒にいる為に送るって事だよ』
『その必要はない、次の予定を入れればいいだけ』
そう答えると、ヒソカは、わかってないなー、と言ったが、俺はそのまま電話を切った。
まずは、旅団の件を考えなければならない。
この��感情��のとことは後回しだ。
そう思いながら俺も、帰路についた。
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吉田 夕陽(プロフ) - 初めてのコメント失礼します。今までのイルミの作品の中でこの作品が一番しっくり来ました！とても良い物語でした！！ (2022年2月28日 12時) (
レス) @page13 id: ab26c36e5b (このIDを非表示/違反報告)
tk - 投票1回では足りないくらい、大好きな作品です！ (2021年5月5日 0時) (レス) id: 1337dc1b37 (このIDを非表示/違反報告)
tk - うおおおおおおおおおおおおおお！！！ 更新ありがとうございますうううううう！！！嬉しいです！！ (2021年3月22日 21時) (レス) id: 311d9fd560 (このIDを非表示/違反報告)
はざくら(プロフ) - 素敵な作品です！最更新楽しみにしてます！ (2021年2月27日 0時) (レス) id: 86be810755 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 今まで読んだイルミ夢小説の中で一番良かったです。理想のイルミでした。キャラ崩壊ほど甘くなくてとても理想的でした。続き楽しみに待ってます。 (2021年2月24日 3時) (レス) id: 9b6d1d410f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花ノ絵 | 作成日時：2020年4月2日 17時
