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パスワードは「**********」。
私はそれを金庫に入力していく。
電子的な音を立てて、私の身長の1.5倍はあるであろう扉が開く。
中は真っ白な空間だった。
床も壁も、LEDライトが光り、まるで白い空間だった。
その部屋の中心には、ポツンと置かれた台座にのる、輝く赤い宝石。
リオンアイ。
『…レトルト、侵入成功。今から_____。』
その瞬間、部屋の天井から物凄い音量の警報機が鳴る。
白い光は赤い光へと変わり、私は戸惑う。
「やっぱり、引っかかった!!」
そう言って、金庫の入り口から顔をのぞかせたのは「してやった」というような表情をしたキヨだった。
リオンアイだけでも____!
そう思い、戸惑った。
リオンアイは、先ほどとは色が代わり、綺麗な紫色をしていたから。
「残念だね。それはフェイク。カラーチェンジアメジストっていうんだって。」
「確保〜!!!」
フジさんから、フェイクという事実を聞かされ、焦る私に近寄ってきたヒラさん。
抵抗する間もなく、手錠をかけられてしまう。
「でもまさか、さっき話しかけたメイドさんだとは…。」
「あれ、怪盗レトルトは?」
「もしかしていないとか?単独任務?」
「それはないだろ。どっかに変装してるはずだ。」
今度はレトルトの存在が怪しまれてしまう。
レトルトはメイドに変装中だ。流石にばバレはしないだろう。
「メイドの中に、いるとか?」
ヒラさんはそう呟く。結構鋭い。
が、「女装はねーだろ!」というキヨの意見で執事を調べることに。
ヒラさんが言うには、「そんなばれやすいやつに変装するかなぁ。」という事だった。
危ない、キヨの単純思考で助かった…。
安堵したのもつかの間、私は何故か客間で怪盗レトルトを呼び寄せる人質になってしまった。
『…。』
「そんな嫌そうな顔すんなって…。」
監視役に着いたこーすけさんが、苦笑いをする。
手足をしっかり固定されているため、脱出方法は特にない。
『…キヨって仕事辞めるの?』
「は、なんで。」
なんとなく、気をそらさせるために話しかけてみる。
話題は、移動するときに聞いた、清川夫人の一言について。
こーすけさんは、眉間にしわを寄せた後「あー…。」と納得したような声をだした。
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レイ - 続きが気になる… (2022年8月10日 12時) (レス) @page36 id: 88c030d218 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね!シリーズ1話から一気に読んでしまいました!!更新楽しみにしてます。 (2022年4月7日 0時) (レス) @page35 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - 春雨さん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - ネアさん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
春雨 - おもしろいです!一気に見ちゃいました!頑張ってください! (2018年4月7日 22時) (レス) id: 71cbe914fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫花莉 | 作成日時:2016年11月28日 18時