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ページ28

〜キヨside〜


レトさんは宝石を盗んでいない。

そう言って真面目な表情で俺を見てくる。
どうも嘘をついて居るようには見えない。




「キヨ君、捕まえた…?」

「P-P!」




息を切らして走ってくるのは、つわはす君とP-P。

最俺は現在、お客様を非難させているところか。


レトルトを見ると、つわはす君の表情が変わる。




「…Aは?」

「あ、そういえば…。」




つわはす君の言葉を聞いて、俺もふと思い出す。
Aがいない。

その質問に対し、レトさんは複雑な表情をして答える。




「それが…、いないんや。」

「…どういう意味。」

「四階に上がってくる途中で、気が付いたらAちゃんが消えとったんやで。」




レトさんは困ったような顔で訴えかけてくる。

そんな事あるわけない。そう言いたそうなつわはす君。




「とりあえず別室で怪盗レトルトを調べようよ。捕まえたわけだしさ。」




P-Pの意見で、俺たちは別室へ移動した。

レトさんは驚くほどいう事を聞いて、身体検査も持ち物検査もしたが宝石は見つからなかった。
どうやら本当に盗んでないらしい。




「じゃあ、宝石は別の誰かが盗んだってことになるよね。」

「でも、誰がそんなことするんだよ。」




そう簡単に盗める代物でもない。

唸る俺達。その時、部屋の扉がノックされる。




「どーぞ。」

「失礼しまーす。」

「どう?宝石は見つかった?」




部屋に入ってきたのは、セピアさんとコジマさんだった。

レトさんを見るなり、二人はそう聞いてくる。
が、俺たちの返事を聞いて二人の表情は曇った。




「宝石が見つからないのも気がかりだけど、Aちゃんがいないのも大変な事件だよな…。」




そう言ってセピアさんは考え込む。

もしかしたらAちゃん一人で宝石を盗んだんじゃない?
そう言ったコジマさんの意見には現実味がなく、全員の判断でなしとされた。




「そう言えば、レトさんはどんな変装してたの?」

「おっ、いい質問ですね〜。」

「キヨ君うっさい。俺は老人、Aちゃんは老婆の変装。」




レトさんから注意を受ける。
チェッ、ノリにのってやったのに。

取りあえず、避難させた客の中で老婆を探そう。そういう意見でまとまった。




「あれ、アブさんは来てないの?」

「アブさん?見てないけど。」

「おかしいなぁ…。」




セピアさんの質問に、俺は疑問を感じた。

〃→←〃



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レイ - 続きが気になる… (2022年8月10日 12時) (レス) @page36 id: 88c030d218 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね!シリーズ1話から一気に読んでしまいました!!更新楽しみにしてます。 (2022年4月7日 0時) (レス) @page35 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - 春雨さん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - ネアさん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
春雨 - おもしろいです!一気に見ちゃいました!頑張ってください! (2018年4月7日 22時) (レス) id: 71cbe914fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫花莉 | 作成日時:2016年11月28日 18時

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