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〜フジside〜



「ここが、実際の美術展…?」

「フジは来んの初めて?」

「え、キヨは来たことあるの?」

「いや、ないけど。つわはす君達はあるんでしょ?」

「…一応はね。」




俺達は明日開催される、美術展の下調べに来ていた。

前日に来るのは少し遅すぎる。そう思ったが、何か事情があるらしい。




「ここが、パライバ・トルマリンの出展場所?」




他の宝石とは違い、広い部屋の中心に置かれたガラスケース。
その中にはサンプルとして、安物の宝石が入っていた。

あの宝石のためだけの部屋、そう思うと相当広い。




「宝石を飾るだけにしては広いなぁ…。」




こーすけも同じ事を思ったようだ。




「この広い部屋には、たくさんの仕掛けがしてあるんだよ。」

「仕掛けぇ?」

「キヨ君、ここのガラスケースあけて、宝石盗んでみてよ。」




P-Pさんが笑いながら言う。

キヨは、ガラスケースを開けた途端に、「…は?」と声を漏らす。
気になった俺たちも、ガラスケースに群がり気が付く。




「宝石が…ない?」

「ありますよ。そこ開けてみてください。」




本来宝石が置かれている場所は、どうやら開け閉め可能なようだ。

鍵を使い開けると、中には安物の宝石が。




「どういうことだ…?」

「実はそのガラスケース、ちょっと特殊な仕掛けがあって、鏡を使ってるんです。」




これなら、宝石を盗もうとガラスケースを開けても、中に宝石がないと勘違いされる。
怪盗レトルトがこの事実を知ら無ければ、宝石は盗みにくいはずだ。

この他にも、赤外線レーザー、金属探知機など、この部屋に入るまでに厳重なチェックを入れるらしい。


もし怪盗レトルトが入り込んだとしても、盗むのは困難だ。




「やっぱ金持ちってすげぇわ。」

「キヨも金持ちだろ。」

「俺はちげぇよ、金持ちは綾鷹なんか飲まねーだろ。」




俺達はその後も下調べを続け、明日に向けて策を練った。











図で解説

・お客さんから見た図
・ガラスケースは特殊な鏡になっている。

http://uranai.nosv.org/uploader/common/8/3/b/83b46755594cac68ef08e1b624505e93.jpg


・本来の図
・下の台の中に宝石が入っている。
・それを特殊な鏡で、ちゃんとガラスケース内に入っているように見せている。
・下の台の中は、外側からは見えないようになっている。

http://uranai.nosv.org/uploader/common/c/1/0/c10bfd9d3048ba95baa14506cd31d043.jpg



画質悪くてすみません…。

〃→←〃



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レイ - 続きが気になる… (2022年8月10日 12時) (レス) @page36 id: 88c030d218 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね!シリーズ1話から一気に読んでしまいました!!更新楽しみにしてます。 (2022年4月7日 0時) (レス) @page35 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - 春雨さん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - ネアさん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
春雨 - おもしろいです!一気に見ちゃいました!頑張ってください! (2018年4月7日 22時) (レス) id: 71cbe914fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫花莉 | 作成日時:2016年11月28日 18時

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