〃 ページ24
〜フジside〜
「ここが、実際の美術展…?」
「フジは来んの初めて?」
「え、キヨは来たことあるの?」
「いや、ないけど。つわはす君達はあるんでしょ?」
「…一応はね。」
俺達は明日開催される、美術展の下調べに来ていた。
前日に来るのは少し遅すぎる。そう思ったが、何か事情があるらしい。
「ここが、パライバ・トルマリンの出展場所?」
他の宝石とは違い、広い部屋の中心に置かれたガラスケース。
その中にはサンプルとして、安物の宝石が入っていた。
あの宝石のためだけの部屋、そう思うと相当広い。
「宝石を飾るだけにしては広いなぁ…。」
こーすけも同じ事を思ったようだ。
「この広い部屋には、たくさんの仕掛けがしてあるんだよ。」
「仕掛けぇ?」
「キヨ君、ここのガラスケースあけて、宝石盗んでみてよ。」
P-Pさんが笑いながら言う。
キヨは、ガラスケースを開けた途端に、「…は?」と声を漏らす。
気になった俺たちも、ガラスケースに群がり気が付く。
「宝石が…ない?」
「ありますよ。そこ開けてみてください。」
本来宝石が置かれている場所は、どうやら開け閉め可能なようだ。
鍵を使い開けると、中には安物の宝石が。
「どういうことだ…?」
「実はそのガラスケース、ちょっと特殊な仕掛けがあって、鏡を使ってるんです。」
これなら、宝石を盗もうとガラスケースを開けても、中に宝石がないと勘違いされる。
怪盗レトルトがこの事実を知ら無ければ、宝石は盗みにくいはずだ。
この他にも、赤外線レーザー、金属探知機など、この部屋に入るまでに厳重なチェックを入れるらしい。
もし怪盗レトルトが入り込んだとしても、盗むのは困難だ。
「やっぱ金持ちってすげぇわ。」
「キヨも金持ちだろ。」
「俺はちげぇよ、金持ちは綾鷹なんか飲まねーだろ。」
俺達はその後も下調べを続け、明日に向けて策を練った。
*
図で解説
・お客さんから見た図
・ガラスケースは特殊な鏡になっている。
http://uranai.nosv.org/uploader/common/8/3/b/83b46755594cac68ef08e1b624505e93.jpg
・本来の図
・下の台の中に宝石が入っている。
・それを特殊な鏡で、ちゃんとガラスケース内に入っているように見せている。
・下の台の中は、外側からは見えないようになっている。
http://uranai.nosv.org/uploader/common/c/1/0/c10bfd9d3048ba95baa14506cd31d043.jpg
画質悪くてすみません…。
571人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ - 続きが気になる… (2022年8月10日 12時) (レス) @page36 id: 88c030d218 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね!シリーズ1話から一気に読んでしまいました!!更新楽しみにしてます。 (2022年4月7日 0時) (レス) @page35 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - 春雨さん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - ネアさん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
春雨 - おもしろいです!一気に見ちゃいました!頑張ってください! (2018年4月7日 22時) (レス) id: 71cbe914fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫花莉 | 作成日時:2016年11月28日 18時