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「おかえり〜。」




家につくと、レトルトが迎えてくれる。
レトルトは私の買ってきた大量のレトルトカレーを見て、表情を輝かせる。


「カニルトカレー。」という名前のこの商品、中には合計七種類のシールがランダムで入っているという子供心をくすぐる品物だ。

レトルトはカニが好き、だからこのカレーの好むのだ。




「あ!今日は激レアシールだぁ!見て見て!!!キラキラしとる!!!カニ、かに、KANI!!」

『あー…うん。』




相当テンションが上がるレトルト。

私はそんなレトルトに作戦について聞く。
レトルトは上機嫌なのか、満面の笑みで相変わらず分かりにくく説明してくれる。


作戦はこうだ。

客に紛れて潜入、宝石に接近。
予告時間になったら宝石を盗む。


盗む方法は簡単。私がアブさんを足止め、レトルトがアブさんに変装して奪う。

その際に混乱を招くために、レトルトはいくつかの「細工」を行うらしい。




「今回も、絶対にキヨ君達は来るはずや。そこに注意しとき。」

『わかった。』




再び笑顔で、レトルトカレーを解凍していくレトルト。
私はそんな彼の後ろ姿に、声を掛ける。




『レトルトが言ってた大切な人って、誰なの。』




大切な人の願いをかなえるために、怪盗を続けるレトルト。
それほど大切な人とは、一体誰なのだろうか。

最近私は、レトルトの過去に興味があった。

仲間として、一種の好奇心として、私はレトルトに質問をする。




「…怪盗レトルトって、知っとる?」

『え…?』




怪盗レトルト、それは世界を股にかける有名な怪盗。

狙った宝石はすべて盗む。素顔は誰も知ら無いといわれている。
そして、今私の目の前に立っている彼こそが、怪盗レトルト。




「…実は俺、二代目なんやで。」

『に、二代目?』

「俺が怪盗を始めた理由は、俺の前の代…初代怪盗レトルトの影響やで。」




初代怪盗レトルト、慣れない響きに耳を疑う。

今、目の前位にいるレトルトは二代目。
じゃあ、その大切な人が初代怪盗レトルト_____?




「俺は初代怪盗レトルトがずっと狙い続けてきた、幻の宝石を狙ってる。」

『その、幻の宝石を盗むために怪盗を?』

「せやで。」




さ、そろそろ夕飯にしないとやな!!

そう言ってレトルトは再び話を濁した。


…幻の宝石。
私はレトルトの後ろ姿を見つめた。

〃→←〃



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レイ - 続きが気になる… (2022年8月10日 12時) (レス) @page36 id: 88c030d218 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - めちゃくちゃ面白いですね!シリーズ1話から一気に読んでしまいました!!更新楽しみにしてます。 (2022年4月7日 0時) (レス) @page35 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - 春雨さん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
紫花莉(プロフ) - ネアさん» ありがとうございます! (2018年4月16日 17時) (レス) id: adbcb7ad7c (このIDを非表示/違反報告)
春雨 - おもしろいです!一気に見ちゃいました!頑張ってください! (2018年4月7日 22時) (レス) id: 71cbe914fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫花莉 | 作成日時:2016年11月28日 18時

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