ただの芸能人とファン1 ページ26
.
「こはくちゃん誕生日おめでとー!」
「おめでとうっす〜!」
「めでたいのです」
「おおきに!」
「今年で祝うの5回目っすね〜!ついにこはくちゃんも20代に!なんかしみじみするっす〜」
「背も最初の頃より高くなりましたね。」
「成長期こえぇ〜!俺っちもいつか抜かされちまうんかなぁ」
「HiMERUはんも抜かすで。燐音はんは後は縮むだけやしな。」
個人経営の隠れ家的なお店で
こはく20歳の誕生日パーティーが開かれていた。
数日前に誕生日は過ぎたが、芸能人たるもの誕生日イベントなどで好きなことは出来ないから仕方ない。
一筋にアイドルの道を走ってきたがCrazy:Bは2年前に解散し、燐音、こはくは俳優界へ。HiMERUはモデルへ。ニキは料理人へ。
元メンバーの誕生日会には必ず集まるようにして、それぞれの道へまた進み出していた。
誕生日会なんて…とHiMERUやこはくは少しバカにしていた時もあったが今となっては必要不可欠となっていた。
「…んで?Aちゃんはどうすんの?」
「そうですね。約束の期間は終わったのでしょう?」
「そう、やね。わしもちょうど考えとった」
「なはは!あまり呑みすぎる前に迎えに行ってあげたらどうっすか?」
「そうだぜ〜、早く見つけて逃げないようにしとけよ?」
正直、Aの事は忘れなかった。
いや忘れられなかったのだ。
数年会っていないはずなのに水族館の時に撮った写真を見返すだけで鮮明に思い出す香りや感情。
「早く会えたらええんやけどな」
迎えに行きたい。
81人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はなちゃ | 作成日時:2021年6月26日 21時