海に溶ける【JK】 (ページ8)

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JK「じゃ、また。」

『うん』

にっこにこの爽やかスマイルをかまして隣のクラスに入っていったジョングク。

寝起きとは思えないバクイケフェイスだったり

たまに寝癖をつけてあくびをしながらポストの前に座っているジョングクと

手を繋いで毎朝登校する日々が数ヶ月ほど続いた。

つまり、付き合って数ヶ月が過ぎた。

ドアのそばに密集して見ていたクラスメイトたちが一目散に集まってくるのもいつものこと。

私たちの登校姿を見物するために１組の遅刻率が下がった(もはや早く登校する生徒が増えた)のも事実だ。

「A、昨日こそヤったんでしょ？」

おい、
朝の挨拶もなしに第一声がそれか、毎日毎日同じ質問ばっかり。

『なわけ。』

ぐるりと囲まれた輪から抜けて自分の席に座る。

「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇ」

『落ち着きな』

「チョンジョングクって付き合ったらああなの？」

『んー、』

「彼女に尽くすタイプ？？？」

「それは萌える」

「ヤリチンとは思えん」

「そーいえばAと付き合い始めて誰ともヤってないらしいよ」

「ヤリチン卒業説濃厚じゃね？」

『そんな大きい声で話してたら2組に聞こえるよ』

こんな平然を装ってるけど

私も最初の頃は

え、あれが噂のジョングク？
別人じゃないよね？
本当にチョン・ジョングクくんですか？

って思っていた。

だって

JK「A、弁当一緒に食べよ」

屋上で一緒に弁当食べたり

JK「A、お待たせ。帰ろ」

当たり前のように一緒に帰ったり

JK「っと、。大丈夫？」

真横を急に自転車が追い抜いてきたときとかは引き寄せて
さりげなく車道側歩いてくれるし、

JK「ばいばいのポッポと、」

JK「また明日のポッポと、」

JK「それから今日も可愛い、のポッポ」

って私の脳内をかき乱す呪文を唱えて3回唇にキスをする。

JK「ん、またね」

そう微笑んで優しく頭を撫でてくれるのも毎日のことなのに

その度にものすごいスピードで速まる鼓動。

ジョングクはヤリチンとは程遠い、ただの良い彼氏である。