🐰 ページ14
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「ただいまー」
JK「ヌナぁぁぁぁぁーーー」
ものすごい速さで玄関に現れた我が家のうさぎことジョングク。
靴を脱ごうとしているところに突進してきて私の肩に頭をすりすり擦り付ける。
「帰ってたの?早かったね。」
JK「ヌナが遅い!何時だと思ってるの!?」
「まだ10時じゃん」
JK「もう10時!」
「はいはいごめんね」
ふわふわと頭を撫でると嬉しそうに目を細めた。
大きなあくびを見て、遅くなってしまったことに少し罪悪感を感じた。
JK「誰とどこで何してたの」
「えーっとー、か、会社の人と飲みに行ってた、」
JK「こんな時間まで?」
ジョングクが私の目を覗き込んでくる。
きゅるきゅるした目にぷっくり涙袋。
ファンの子達が褒めてくれるジョングクの大きな目。
あー、そんなにじーっと見つめられたら、ごめん嘘ついた。って言っちゃいそうになる……。
でも本当のこと言ったら絶対怒られるから。
今度のサイン会行くために残業してるなんて言ったら思春期の中学生も顔負けなくらいに怒るでしょ?
残業してたって言った日には
「社長を残業させるなんてどんな会社!」って返ってきたし。
いや、私の会社なんだけど、うん。
でも、まさかサイン会当たるなんて思ってなかった。
部下がファンだって言うからファッション誌の出版社から、流行の研究っていうこじつけでアルバムを何枚か買った。
それでも勿論、熱心なファンの子たちには到底及ばない。
とてつもない確率を勝ち取りサイン会に当たって飛跳ねるほど喜んでいたのに私に譲ってきた部下。
「よかったですね、社長!
私はサイン会行ったことあるので社長、行ってくださいねっ。
あぁ、これで念願のグクとヌナの絡みが見れる……。んふふ。」
「へ、?」
「ついに社長が!?」
「わぁ、楽しんでください!」
「弟さん、びっくりしますね!」
目をキラキラさせて一斉に食いついてくるその姿は興奮をおさえられていない。
「いや、行かない、です、。」
社員たちの勢いとは対照的に語尾がふにゃふにゃと情けなく遠のいていく。
そんな弱い私の声なんてすぐに却下されて、
サイン会に行くことが強制的に決定し、
今に至る。
JK「前までは飲み会も全く行かずに早く帰ってきてたのに最近よく飲み会行くよね、。」
口をとんがらせて私の髪をいじりながら言うジョングク。
ごめんよ、もう少しだけだから。
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作者名:ひま | 作成日時:2022年5月16日 21時