海に溶ける【JK】 (ページ11)

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黒いだけのコンクリートの地面を見つめながら並んで歩く帰り道。

話しかけられていたけどまともに答えられていたのかは分からない。

JK「A、」

家の前、立ち止まっていつものように私の頬に手をあてて唇を寄せるジョングクを

拒むことも出来ず瞼を落とすと

次から次へと涙が頬をつたってジョングクの指に辿り着いた。

JK「なんで、泣いてるの、？」

覗き込まれて必然と目が合う。

『っ私ね、、、、ジョングクのことが好きなの。嘘なんかじゃなくて。』

JK「え、」

『でもジョングクは私のこと好きじゃないよね。

だからさ、もう別れよう。

本心じゃないのに好きなんて言う必要もないしキスしてくれる必要もない。

ジョングクは何も悪くないよ。

抱くつもりはないって言われたあの日からずっと分かってたはずなのに、ごめん。』

止まることのない涙と共に不器用な言葉が溢れ出す。

こんなことを言いたいわけじゃない。
だけどこれが本心で今の私には言葉を選べるほどの余裕なんてなかった。

『じゃあね、送ってくれてありがとう』

自分で言ったくせに心を指でつままれたような切なさに襲われてただただ落ちぶれていく。

こんな思いをしてもなお儚くも強く燃え続けるジョングクへの感情から目を背けるように玄関の方を向いて歩きだした。

JK「待って」

手首を強く掴まれて弱いままの身体がジョングクのほうへと引き寄せられる。

コンマ1秒もしないうちに重なった唇。

残酷にも今までで一番やさしくて穏やかで気持ちの良いキスだった。