[HQ]守護者

１６ ページ18

「手伝いますよ。」

清水「助かる。」

ーーーー

大分、時間が経ったと思う。

隣で黙々と、しかし俺が質問すると簡潔に説明してくれる。

ちら、と見た先輩の横顔は出始めた太陽のせいもあるけど、キラキラしてた。

眩しい。というか直視できない。

田中、ノヤよ、いつもこんな人に飛びかかる勢いだったのか。

清水「ありがとう。これ、炊き立てだから美味しいよ。」

「えっ、と、良いんですか？」

清水「手伝ってくれたから。」

「あ、じゃあ、いただきます…。」

清水「うん。」

うん、いつも食べてるのの倍以上は美味しい。気がする。

別に母さんのおにぎりを馬鹿にしてるわけじゃない。過程が重要ってだけで。

その間せっせと皿を並べる先輩。

なるほど、彼女が結婚した後その旦那はこの光景を沢山見れるのか。

なんだかちょっと羨ましいが俺はその旦那役に立候補するのは遠慮しとこう。

清水「そろそろ時間だし、皆を起こしてきてくれる？」

「あ、はい。」

さて、さっきまでのことどうやって他の部員に自慢してやろうかな。

まぁ“清水先輩のセコム”と言っても過言ではない三年生には黙っておくが。

三年生たちが心配するのは訳ないので何も言わないけど。

(なんだかちょっと、優越感。)

１７→←１５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す