[HQ]守護者

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「……あ。」

目が覚めた。眠りが浅かったかな。

なんだか夢を見ていた気がする。内容は覚えていないけど。

少し汗ばんでいる辺り良い夢ではないと思うので覚えてなくていいけど。

まだ辺りは少し暗い。でも鳥の囀りは聞こえる。

「今は……。」

４時ちょっと過ぎ。鳥って早起きだなぁ。

早めに起きてしまったが、このまま寝るのは少し勿体無い気がする。

何か...皆のために何かしよう。

そう思い立って皆を起こさないように静かに寝室を出る。

出る途中、日向くんが寝言で“バレー…”と言ったのが可愛かった。

彼が起きたら教えてあげようと思った。

「ネット張り…は、いいか。というか昨日張ったままにしてた気がする。」

寝起きの習慣で洗面台で口をゆすいだ後、考えながら薄暗い廊下を歩く。

しまった。上着を着ればよかった。

まだ五月だ。朝は冷える。

「……ん？」

薄暗い中で一つだけ明かりがポツリ。

あそこは食堂だったかな。

武田先生が朝食を作っている、とか。

そういえば昨夜食べた先生が作ったおにぎりが美味しかったなぁと思い出す。

「手伝おう。」

人数分となれば相当だろう。

ーーーー

「あれ、清水先輩。」

清水「鵲。おはよう。早いね。」

台所に立つ清水先輩がこちらを振り向く。

(うわー！うわー…！！)

これが見返り美人というやつか。恐れ入る。

俺だって田中ほどじゃないが清水先輩綺麗！と思っているんだ。

「あ、お、おはようございます。先輩こそ、早いですね…？」

清水「去年もこれくらいに来てた。」

「お、お疲れ様です。」

清水「ありがと。」

清水先輩がにこりと笑った。

(早起きはしてみるものだ。)

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