[HQ]守護者

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西谷「リベロ勝負でもあり、旭さんの復帰戦だからな。気張るしかねぇし、お前も気張れよ！」

「お、おう。」

OB戦。

新しいコーチ、復帰したリベロ、顔を出してくれたエース。

そう、気張るしかないのだ。

(……リベロ勝負っていうのは、置いておくとして。)

コートに入る前、旭先輩と目があった。

先輩は何を言えばいいのかわからない、という風に頬をかいた。

そんなに、目があう程に見ていたのか、俺は。

まぁ、そうだよな。エースが復帰してくれるんだったら心強い。

頼みます、スガ先輩。絶対守ってくれ、ノヤ。

旭先輩に戻ってきてほしいからって、手は抜かないけど。

(手を抜いたら、それこそ踏みにじるようなものだ。)

ーーーー

あの日、俺はただ見ているだけだった。

近くにすら行かなかった。

葛藤し、ぶつかり合った、眩しいような、悲しいような二人とは裏腹に。

俺は、二人が妬ましかったのかもしれない。

どうして、俺みたいな奴の気も知れずに、天才同士でぶつかっているのだと。

本当は二人とも、持ち合わせた才能以上に努力しまくって手に入れた才能の筈なのにな。

そんな自分が情けなくてたまらなかったし、目を背けたくてしかたなかったのだ。

だから、あの日俺は近づくことさえしなかった。

挙句の果てには、

(ノヤ。俺はお前にライバルって言われる資格もないんだよ。)

俺は。俺はな、ノヤ。

お前が部活謹慎食らった時、

(内心……喜んで、たんだ…。)

西谷「トスを呼んでくれ！！エース！！！」

そんな、信頼も、実績も、熱量もあるお前を。

邪魔な奴って、思ってたんだ……

(馬鹿だよなぁ。)

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