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俺より少し背の低いしろが背伸びして、手を伸ばす。
『私の、せい?』
駄目だって、駄目だって。
そう、頭の中では分かってるんだけどさ。
『私、何かしたかな。』
そんな顔で見つめられちゃったら、誰だっておかしくなるって。
そんなことも、俺が教えないといけないの?
『もしそうなら、ごめんなさい。』
少し潤んできたしろの目を見つめるのは辛い。
『直也くん、泣かせるようなこと、しちゃった。』
ゆっくり伸びてきた腕を見ながら、他人事のような感覚に襲われた。
しろが頬の涙をすくう。
ちっちゃな手が顔を包んで、泣き止んでって。
あー。
『直也くんッ?』
足に力が入んないんだよ。
自分で体を支えられないんだ。
きみが怪我しないといいな。
ごめん、もう無理だ。
俺を
『えっ、ちょっと、』
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何かに覆い被さった感じ。
でも、ちゃんと立ってる。
何が支えになっているのか、その答えはすぐに分かった。
浦「A。なんで庇っちゃうの。」
『そんなの、直也くんが大切だからに決まってるでしよ。』
浦「嘘つくな。笑」
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作者名:Bremen | 作成日時:2015年12月11日 5時