- 8/22 完結 - ハナミズキ - Shori.S

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勝利side






不幸にも、体育準備室は俺らの校舎とは真反対の位置にある。





すれ違う先生みんなに、廊下は走るな！と怒鳴られるけどそんな声は無視して走り続ける。





そして、次の角を曲がれば体育準備室が見える..





と思った瞬間。





微かに..でも確実にAの声が聞こえたんだ。






俺に助けを求める声が。






必死の思いで、準備室の前に着き扉を勢いよく開け..ようとしたが部屋には鍵がかかっていた。







勝「くそっ、」







この危機を打破する方法が見つからずうなだれる。






その間も部屋の中からは、Aの啜り泣く声が聞こえる。







その時、脳裏に一人の男の言葉浮かんだ。







「俺さ、体育準備室の後ろの扉の鍵が壊れかかってて、強く叩けば簡単に開くからよくあそこでサボってた(笑)」








サボり常習犯だった先輩、健人くんの言葉だ。







今はその言葉に頼るしかない。






頼む、開いてくれ.. 決死な思いで後ろの扉を強く叩いた。









ガコッ









..カチャ








大きな音の後に小さな鍵の開く音が耳に入ってきた。

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