閑話： side安室 ページ31
…………そこまで、逃げなくとも。
そう思いながら、自分から離れた瞬間に目の前の女の子にしがみついた彼女を見て、自分がものすごく落ち込んだことを自覚した。
いや、確かに大人気はなかったと思う。けれど、電話の件もあって話すことができなかったのは理解してほしいものだ。
……誰にとはわないけれど。
世「……半分よりちょっと上ぐらいは安室さんが悪いと思うぞ？」
安「……微妙な判断だね」
世「蘭くんと園子くんが見てたら、これでは済まなかったと思うけど」
安「僕が悪かったです」
即座に謝罪して、同時にこのことはどうか秘密にと暗に言えば、世良さんはそれにコクリと頷いた。まあ、もともと余りそう言ったことに興味がなさそうだから安心だと思いたい。
言いふらすなんてことはしないと思いたい。
……だ、大丈夫だよな？
不安にかられながら、世良さんに抱きついたまま離れようとも動こうともしない彼女の背中を見て、ものすごく落ち込む。
……いや、ほんと。もう全力で謝るから。その微妙な拒絶はやめてくれ……。
？「嫌われちゃいましたね？」
くすりと、背後から明らかな嘲笑を含んだ言葉に、僕は振り向く。
目の前にいるのは、ずっと警戒をしている男が一人。少なくとも、彼女を今怖がらせている元凶の男。
それだけでも、僕の中では許しがたい存在。
まっすぐな男の目を見つめて、今度は僕の方が言葉をかける。
安「それは大変だ。なら、早速うちに帰って誤解だということを認識してもらわなければね」
佐「…………なに？」
安「そうだ。夜、ベットの上で語るのもいいかもしれない」
佐「……お前、……っ！」
安「僕は彼女に嫌われたかないですから。だが、十分に触れ合って、語り合って、聞いて、聞かせて。お互いの理解を深めたいですね」
にっこりと、営業スマイル付きでそういえば、目の前の男が今にも殴ってきそうな鬼気迫る表情をする。
この変化は初めてかもしれないと思いつつ、まあ、別に来られても返り討ちにするくらい簡単だから気にしないが。
と。
『はっ、恥ずかしいことを言わないでくださいーっ！！』
背後から、Aさんの声が聞こえてきて、ようやく世良さんから離れてかれたのかと思い、振り向こうとしたが、その前に、己の腰あたりに腕が回って、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
安「な…………っ！？」
大人の余裕とはなんだろうと、本気で考えた瞬間だった。
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霞葉 - このお話、とても好きです。続き、楽しみに待っています。 (2020年6月22日 12時) (
レス) id: a64398df50 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - RURUさん» RURU様、お久しぶりです！いつもあたたかなコメントを本当にありがとうございます。大変お待たせしてしまいましたが、ちょこちょこと更新も再開したいと思っておりますので、またおヒマな時に遊びに来てください！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - 白昼夢さん» 白昼夢様、コメントありがとうございます。更新大変遅くて申し訳ありません……。にもかかわらず、作品を大好きと言っていただける優しさにただただ感謝しております。ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおお！！！更新待ってましたーーー！もう大好きです！いつまでも楽しみにしてます！ (2019年2月14日 12時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢 - ああああああああああああああぁあぁああぁ！！！更新されてるうぅぅうううぅうう！！！って思いました！w頑張ってください！この作品大大大好きです！！ (2019年1月16日 16時) (レス) id: 57897e1d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年7月11日 14時
