閑話：side安室−1 ページ27
自宅での攻防を終えた後、大人しく僕についてきてくれる彼女に安心しながら、ポアロにいる梓さんに電話をかければ、それなら一緒に買い物をしてきてくれるとありがたいんだけど…と言う話だったので、それくらいならと思い受けたのだが、それはどうやら失敗だったらしい。
メモをした用紙を手に持ちながらスーパーの中を歩いて、買い物を終了させた時、店内放送がかかる。
スーパーではよくあることだな、と軽く考えていた時、車の呼び出しで、しかも、それが自分の乗っている車のナンバー、車種を放送されれば誰だって驚くだろう。何があったんだろうと疑問を持ちつつも、店内放送では、少しだけ焦ったような声音で、「〈お急ぎお車までお戻りください〉」とアナウンスが流れている。
少しだけ急いで店の外に出ると、まばらに歩いている人たちはどこか一点をちらと見ながら歩いている。その視線の先を追えば、明らかに自分の車がある。
安「(なんだ、なにがあった？そもそも、そんな騒ぎになるようなことをあの子がするとは思えないんだが……)」
そんなことを考えつつ、少しだけ遠目に止めた車に向かって早足で近づいていく。
車を少し遠くに止めたのは、車の中に残す彼女のことを考えてのことだった。彼女が着ているのは僕がかしたロングTシャツのみ。その上、全身を包帯で巻いているのだから、道行く人に見られると可哀想だと思ったから、少し遠くに止めたのだ。
それなのに。
近づいていくと、何かを思い切り叩くような音が響いてくる。
なんだ、と思いつつ、嫌な予感がその時になってようやく働いてくる。手に持った荷物をとり落とさないように、少しだけ走り、自分の車の完全に視界に入れた時。
安「！？」
なぜか、僕の車を無遠慮に殴りつけている男がいる。運転席側の窓を思い切り拳で叩きつけて、まるで楽しんでいるのか、醜い笑みを浮かべながら男は窓を叩き続けていた。
安「(なにをやってるんだ！？あの車には彼女が……っ！！)」
そう思い、今度こそ完全に走る。その時に、男は殴りつける行動を止めて、なぜか、窓に向かって何度も何度も手を伸ばす行動をし始めた。
安「(……？なにをやっているんだ？)」
意味のわからない行動を見つつ、車に完全に近づいた時、怒りでどうにかなりそうになった。
車内に残して来たことを後悔する。そう思えるほどに、震えた彼女を見て、頭がカッとなった。
安「――こんなところでなにをしているんですか？」
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妃沙(プロフ) - 明里香さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2018年6月2日 20時) (
レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 安室sideに誤字がありました。「毒の車」ではなく、「僕の車」です。 (2018年6月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年5月27日 8時) (レス) id: 35e497a401 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！、更新頑張ってください！応援しています！！！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年5月18日 8時
