優しさをください。3 ページ3
？「大丈夫ですか？」
『はい。あの……すみませんでした。ありがとうございます』
？「いえ。気にしないでください。あ、私は毛利蘭と言います。あなたは？」
『え…？あ、えっと…………？』
蘭「？」
『……？あれ？』
蘭「どうかされましたか？」
『……名前……わからない……』
蘭「え！？」
驚いた声を出した蘭さん。正直に、私もちょっと戸惑っている。
けれど同時に、安心もしている。
自分のこの感情が、全くわからない。
蘭「と、とりあえず、お父さんに……」
『あの……私、ここからお暇しますね』
蘭「何いってるんですか！？そんな傷だらけで動くなんて無茶ですよ！」
『でも、これ以上ご迷惑をおかけするわけにもいきませんし…。それに、このベッド、蘭さんのですよね？占領してしまうのは、すごく…申し訳ないですし……』
蘭「そんなことは気にしなくてもいいんです！とにかく、ちょっと待っててください。コナンくーん、いるー？」
？「はーい。蘭ねーちゃん。呼んだ？」
蘭「ちょっと、この人のそばにいてあげて。私、お父さん呼んでくるから！」
コ「？うん、わかった」
そう言って、蘭さんは私から離れて、代わりに小学生の男の子が私のそばに来た。
ひょこりと私を覗き込んだ男の子は心配そうに眉を下げて私をみる。
コ「おねーさん、大丈夫？」
『…うん。大丈夫だよ。君は……？』
コ「ボク、江戸川コナン。よろしくね」
『…コナンくん。あの、私……』
何を言えばいいのだろうか。わからなくなる。
口ごもってしまった私に、しかし小学生とは思えないほどのおとなしさで、私が言葉を紡ぐのを待ってくれている。
それに、安堵したのかもしれない。
だからこそ、するりと言葉が出て来た。
『あのね…私、記憶がないみたいなの』
コ「え？」
『自分がどこの誰かもわからないし、どこに住んでいたのかもわからない。なんであそこにいたのかもわからない。名前も、何もわからない』
コ「……お姉さん、なにか、カバンとか持っていなかった？」
『さあ……？気づいたらなんか路地裏みたいなところにいて、なんか全身傷だらけで倒れてて……そ、れで……』
状況を思い出すために一つずつ順を追って言葉に出していくと、襲われそうになった言葉で思い出してしまい、体が無意識に震えた。
それに気づいたのか、コナンくんが声を上げる。
コ「あー！お、お姉さん！あ、その、えっと。ほら、お姉さんを助けた男の人のことは覚えてる！？」
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妃沙(プロフ) - 明里香さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2018年6月2日 20時) (
レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 安室sideに誤字がありました。「毒の車」ではなく、「僕の車」です。 (2018年6月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年5月27日 8時) (レス) id: 35e497a401 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！、更新頑張ってください！応援しています！！！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年5月18日 8時
