想像していなかった 。 ページ33
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「−−−やあ、待っていたよA」
錆びた鉄と、蔓延る血の匂いが混じり合って咽せ返りそうなその場所。頑丈な格子に指を絡ませ、呼び出した張本人は場に似合わぬ朗らかな笑顔で、組んでいた脚を戻し歩み寄ってきた。
『……何か用で______って、どう云う状況ですか、此れ。』
少し不機嫌に。其の問い掛けは、途中で止まり、異様な雰囲気の其れを怪訝そうな目でAは辺りを見回した。
何人もの黒服の構成員達が一つの牢を取り囲み、其の中心に太宰、そして中原と面識のない着物姿の女が立っている。
太宰の笑みとは対照的に彼等の顔は、至って真剣で鋭さすら感じられるが、明らかにいつもとは違う。
そして何よりも−−−
『……随分と、滅茶苦茶にやられてるじゃないですか、折口さん。』
目の前に在る、牢の主人は折口であった。
しかし、白いシャツは血で赤々と染まっており、陶器のように滑らかだった頰には幾つもの打撲痕と切り傷。俯いた顔から滴る赤は、紛れもなく血液だった。
拷問の跡。其の惨事は、見るものが見れば直ぐに判断できるもの。
驚愕を何とか飲み込み、折口に声をかけると鼓膜に届いたAの声に反応したのか、ゆっくりと黒髪を震わして俯いていた顔を上げた。
「_____こんな姿で……御免な、」
『……まぁ、遅かれ早かれ折口さんはこうなる運命だったのでしょうけど、何で急に?』
「そして私を呼んだ理由は?」やや睨め付けるようにして薄ら笑いの太宰を見上げると、彼は首をすくめて状況を説明した。
−−−最も、端的で、簡潔で、意味なんて皆目見当もつかない言葉を。
「処刑の時間だよ、島崎A」
君の手で、彼を殺すんだ。謀反人を、ね。
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お久しぶりです。雪原です。
この度は、暫くの間更新停滞をさせてしまい申し訳ありませんでした。
理由としては、高校受験を控えていたというのが大きいです。(スランプでもあった、というのもあります(笑))
なので、その間某アイドル育成プロデュースゲーム等に浮気をしながらも受験勉強に勤しんでおりました。
ですが、無事第一志望校に合格出来ましたので今日から少しずつでありますがまた更新を再開致します。JKです。JKになりました。
読者の皆様には、ご迷惑をおかけ致しましたが、これからもこの作品をどうぞよろしくお願いいたします。
2017.3.13 雪原 ゆずき。
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y(プロフ) - まだ、見てます。こんなに端麗な日本語で綴られた物語を書ける方、中々いないです。最高の作品です。どうか、いつか続きが読めることを願っています (2月26日 19時) (レス) @page38 id: 02477a501f (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 何周も見てるけどやっぱ飽きないし面白いです!!更新待ってます!!!!!() (2022年11月15日 14時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
おみず - お、おわり……??続きがまた見たいです……この先でも活躍するんだろう夢主ちゃん見たいです……!!! (2022年11月10日 23時) (レス) @page38 id: 0c3a3b3097 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫ニサナ - 更新待ってます!! (2022年3月14日 22時) (レス) @page38 id: 1c42f0d3fc (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - え、待ってめっちゃ好き。続き気になる…!更新待ってます、頑張ってください!! (2022年2月1日 17時) (レス) @page38 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪原 ゆずき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2016年8月4日 13時