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隼 side
時刻は13時を回った
約束の時間はとうに過ぎているというのに
雇われの身として失格じゃないか？
裕「出迎えてきます」
龍「お 手 柔 ら か に、な」
裕「…職務を全うするのみです。」
まるで試すような言い方、なんて思いながら
2人の会話を聞いていた
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使用人の契約に関わる判断は全て
この家の当主である俺の父さんが握っている
ベルが鳴って玄関へと向かった裕太くんも
この家のお嬢様、姉ちゃん専属の執事として
もうずっと幼い頃から『お付きの者』との認識がある
俺がこの家の息子に産まれてなかったら
たとえどんなにやり手の人間だったとしても
自らこの屋敷に足を踏み入れることは絶対にしない、だから
雇われ家庭教師って奴の気が知れない
そもそもなんでこうなったかというと……
前々から姉ちゃんの成績表をいじっていた
裕太くんの悪行が、、、
ついにバレた
報告を終えた後、父さんの部屋から
出てきた裕太くんの顔は
今でも忘れられないほどに酷いものだった
監視下にある俺ら兄弟のことを
執事たちは勿論全て把握しているわけで。
自分に都合の悪いことを【改竄】することも
容易にできちゃう、わけで。
高校を卒業すれば進学はせずに
名家に嫁ぐ運命が約束されているが、
その卒業さえも危うい、なんて…
学業にまで目が行き届いてないことを指摘されれば
そりゃあ裕太くんの評価が下がる
まぁ誤魔化してたことがバレりゃ
元も子もないんだけど…。
そういうわけで
期間を一年間とし、
姉ちゃんの成績を上げることを条件に
裕太くんの解雇(？)案は姉に託された
…そんな事も知らずに姉ちゃんは
壊滅的な数字を叩き出すもんだから
本格的に留年回避対策が始動した
効果が出るといいんだけど…
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作者名：はなまる | 作成日時：2021年3月16日 22時
