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me
つくづく自分が嫌になる。
自分が売られた喧嘩にやられてる時に助けてもらって、気絶して。
挙げ句の果てには記憶なくしちゃってるんだもん。
...普通だったら愛想つかされてるよ。
ーそれなのになんであの人は心配してくれるんだろう。
私の過去を知ってるから?
...私が令嬢だからだったりしたら笑えるよね
...そんな人じゃないんだけどさ
涙が溢れて服にシミを作る。
ーあぁ、私泣いてるのか
「はは...」
口から笑い声が溢れる。
流れる涙は止まることを知らない。
壊れた蛇口のように後から後からとめどなく流れてくる。
「馬鹿みたい...」
目の前には屋上の手すりが私の行く手を阻むように立っていた。
この檻から出て自由になろう。
今まで彼が助けてくれたから死ねないとか言ってたけど、結局彼の死を無駄にするんだ。
偽善者
彼を殺したのは私だ。
現実を見ず、周りの人に迷惑かけて...
そんな奴に生きる価値なんてない。
ここ何日かここで折れていたけど、今日はきちんと最後までやる。
手すりを乗り越え、屋上のヘリにたつ。
優しい夜風が頬を撫でた。
高所恐怖症の私は普段だったらここで逃げ帰っているだろう。
...高所恐怖症だったのは、死ぬのが怖かったからなんだ。きっと。
町の景色に背を向け、手すりに向き合うように立つ。
「さよなら」
満点の星空がぐらりと揺れて、見えなくなった。
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日向夏(プロフ) - 教えてくださってありがとうございますm(_ _)m (2019年3月22日 16時) (レス) id: fe3d80a53c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月22日 15時) (レス) id: 2c87b61af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向夏 | 作成日時:2019年3月22日 15時