陸奥守の妹に恋をした2（刀剣乱舞 薬研藤四郎）

81 空の影 ページ37

三「綺麗な夕日だな、これは絶景だ。」

石「三日月さん、こんな時に何を言っているんだい？」

三「こんな時だからこそ、異様に光り輝き、美しくなるものだ」


堀「…あたりは、薄暗くて少し不気味ですね。Aは、無事でしょうか…」

加「無事に連れて帰る、それが俺たちの任務だからね、そんなに落ち込まないで、堀川」


加州は堀川の頭にそっと手を置いて、微笑んだ

堀「加州さんは、心配じゃないんですか？」

加「心配に決まってるじゃん、心配だよ、だけど、あれには見せられないでしょ？」


A、Aと声を張り上げて探す薬研を、2人はじっと見つめた


陸「そんなに声を上げたら、見つかるもんも見つからん。少し落ち着けぇ、隊長？」


薬「……っくそ」

悔しそうに拳を握りしめた次の瞬間、後ろで何かを斬る音がした


三「これはこれは、夕日を眺めてたら影ができたわい、せっかくの夕日が台無しだな。」


はっはっはっと笑いながら敵を倒していく三日月


石「薬研くん！今は目の前の敵に集中しよう！！」


陸「しっかりせい！！薬研！」

薬「分かってる…！！」

薬研はするりと刀を抜き的に一直線に向かう

それを蝶みたいで綺麗とどこから見る謎の人影


堀「今回の敵ちょっと、いやだいぶ手強い…」

加「そんな弱音吐いてると背中取られるよ！！堀川、行くよ！！」

堀「は、はい！！」


加州と堀川は二刀開眼を繰り出した


何百といる敵を、次から次へと倒していく部隊

最後の一人を倒し、皆は刀をさやに収めていた


三「うむ、陰りが消えたな。真紅に染まる綺麗な空だ。ただ、」


三日月は夕日をじっと眺めた


三「紅すぎる」


そう呟いた瞬間、皆の視界が謎に暗くなる

何か、蠢いているような、そんな素振りを見せて

堀「何ですか、これ…！！」


石「とてつもなく邪悪な気配を感じる…また時間遡行軍か」

加「うわ何これ、うじゃうじゃしてる…」

みなが戸惑っている中、蠢いているものはどんどん少なくなって、それが何なのかも分った


『綺麗であろう？』

突然聞こえてきた声は、ずっと探していた声
薬「A、無事だ…？！」

勢いよく振り向くとそこには、

真紅に染まる瞳の少女がたっていた
来ているものも、髪も、全部見たことある容姿。だけれどどこか違う

衣装も赤黒くなって、いつも持っている扇からは、黒い蝶が溢れ出てくる


少女は口をにやりとさせ


？『さぁ、踊ろうか』

黒い蝶が周りを舞った

82 目の前の何か→←80 仲間

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す