72 桃と深紅 ページ28
貴方side
隙間から差し込む朝日で目が覚める
貴『ん…もう朝?…顔洗わないと…』
陸「A!起きとるか!!今日はわしらは手合わせじゃ…よ…」
貴『兄上…おはよ、手合わせか〜腕がなるな!』
兄上は真っ青な顔をしていた
陸「おまんどうした…その目!!」
肩をゆらゆらとものすごい勢いで揺らすが何のことかさっぱり分からない
寧ろ寝起き!!!
貴『兄上、ちょっと待って、寝起きだから、揺するのやめて…』
陸「すまんすまん!!けんど、自分の目、ちと一回見てみぃ」
近くにあった鏡で自分の目を確認してみる
桃色の目が、片目だけ深紅に変色していた
貴『え…何、これ…』
陸「わしゃとりあえず、薬研と主を連れてくるきに、Aはそこで待っとけ!」
貴『あ、ありがとう』
自分でも状況がわからなかった
朝目が覚めて、鏡を見てみると目の色が変わってるなんて…
しばらくすると2人は駆けつけてくれた
主「何か、霊力に問題があるのでしょうか…すみません、私もこのようなことは初めてで…」
考え込む主さん
薬「大将、陸奥守の旦那。とりあえずこいつを俺っちの部屋に連れていく。今はこの目をどうにか誤魔化さないといけないからな」
陸「すまん、頼んだ!!」
主「薬研…お願いします、こちら色々と手を尽くします。」
そうして私は薬研くんの部屋へと運ばれた
薬「体のどこかが悪いとかはないか?」
貴『うん…むしろいつも通り過ぎて怖い』
なんて、他愛もない会話をしていた
貴『でもなんか不思議だな…なんか』
薬「不思議?何故だ?」
貴『分からない…けど、そう感じるの』
薬研くんは赤く染った目に包帯を巻いてくれた
…
薬「とりあえずこれで誤魔化せるだろう、もし目に付いて聞かれたら、〘目に傷ができた〙とでも言っておけ」
貴『うん、ありがとう』
私は包帯で巻かれた目に優しく触れた
なんでだろ…愛おしくて、寂しい
私はその衝撃で薬研くんに抱きついた
薬「どうした…不安か?」
貴『そうかも…もうちょっとこのままでいい?』
「我儘だな」と満更でもない顔をしながら背中に手を回す
救急箱からは薬草の匂いがぷんと香ったが、それもまた今の私には心地よかった
薬研くんは私の頭を優しく撫でる
その安心感に、いつの間にか涙がこぼれていた
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ミミ(プロフ) - お話できたら嬉しいです! (2021年10月3日 12時) (レス) id: 3c71f1d526 (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - ミミさん» お久しぶりです!!覚えてますよー! (2021年3月9日 0時) (レス) id: 5eedcd9e1c (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 懐かしいですね〜覚えてますか? (2021年3月9日 0時) (レス) id: 02e747571d (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - お久しぶりです!ボードに久々に寄ったので見てほしいです! (2021年1月28日 16時) (レス) id: 02e747571d (このIDを非表示/違反報告)
琉兎(プロフ) - 咲夜さん» 本当ですか?!?!ありがとうございます!!!亀更新で申し訳ないです… (2020年12月29日 0時) (レス) id: 20f681a483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琉兎 | 作成日時:2019年3月2日 14時