−0224前編 ページ4
『え?今日!?…ですか?』
「うん、図書委員でしょう?お願いね」
『ちょっと、胡蝶先生なんか、わざとですよね』
「なにか?」
『俺がいる日にこういう雑用頼むの』
「いやだって、東雲君は言うことちゃんと理解してキッチリ達成してくれるから」
たまに思う、この人って、もしかして、俺がチョロいからいつも雑用お願いしてる?
『…俺だけじゃないですよ、図書委員』
「それとも…今日はなにか大事な用事でもあったの?」
たまに思う、この人って、もしかして、俺がわざとからかってる?
『いいえ、別に用はないですよ』
「本当に?」
『はい、終わったら鍵返しますので、先生は先に帰って良いですよ』
「あ、うん、じゃお願いね」
一応、善逸があれほど言ったのだから、用意だけはしたけど…今日会わなかったから渡せなかったな…
むしろ、勢いですごいもん買ったから…渡せない方が良いかもしれないな
-
日は暮れ、俺は職員室で鍵を返し、一人で校門を出た
「Aくん」
『え、あ、あれ?先輩?胡蝶先輩?まだ、帰ってなかったんですか?』
「ええ、ちょっと部活で」
『薬学研究部?それともフェンシング部ですかね?』
「それはまあ、色々と…それと、Aくん、呼び方戻ってますよ」
『あっ、ごめんなさい…しのぶ先輩、でも…大変ですね、誕生日なのに』
「あら?知っていたの?」
『ええ、もちろん』
「何も言ってもらえなかったからてっきり知らないかと思っていた」
『知ってますよ、今日珍しく会ってないだけですよ』
「そう、ですね」
こんな所で…先生が早めに帰ったのに、てっきりパーティーでもするかと思っていたけど
『家の人にはやっぱりお祝いとかするんですか?』
「姉さんが大げさでね」
『だから、今日は早めに帰ったんですね』
長い沈黙が続く…俺、なんかまずいこと言ったのかな
『先輩、あのさ』
「あのね、Aくん」
タイミングが良いのか悪いのか、俺たちは同時に互いに話をかけた
あ、これは譲り合いで終わるパターンか
『あの、どうぞ』
「Aくんこそ、言っていいよ」
仕方ない、じゃ遠慮なく、俺から言わせて頂きます
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作者名:はなまる | 作成日時:2021年1月11日 2時