気付けば俺の目は蝶を追っていた・番外編コーナー (ページ14)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:4,172 hit

ー③しのぶ視点ページ14

『そうだと思いました』

そう言いながら手を顔に沿ってゆっくりを撫でていて、ゆっくりと私を自分の方に向かせる

整った顔つき、幼さがまだ微かに残っていて
顔の距離は以前と比べて少し遠くなっていた

身長があんまり伸びなかった自分と比べて男の子が一瞬で大きくなり、体もどんどん男の子から男の人になっていく

『好きです…本当はそれだけなんです』
『責任と圧を感じるのも、それだけなんです』

優しい口づけ、しかし長く深く
息が出来ないくらい長く
意識が遠くなるくらい深く

「A…くん…ちょっと」
『はい』
「立てないです…貴方身長伸びすぎです」
『わかりました』

自分を抱き上げてそのまま続ける

いや、そういう意味ではないですが…

『しのぶさん、汗…拭かないと風邪ひきますよ』
「あとで…自分で」
『俺がやりますよ』

ニヤリと笑ってそう言う

「まったく…お調子者ね」
『しのぶさんのせいですよ、こんな夜中に来ちゃったんだから』

-

「いいんですか？しのぶ様…その、行かせて」
「彼が自分で考えて決めたことですから」
「そばに居ても出来ますよ…勉強」
「そうかもしれませんが…」

“しのぶさんのそばに戻りたくて一瞬でお勉強終わらせてきます！だから待ってて！”

「武者修行ならぬ医者修行か…Aさんも思い切った事しますね」
「今は応援して待つしかありません…私たちが救われたように、誰かを助けるのも本当にしたいことかもしれません」

戦うことしか出来ないではなく
それ以外の生き方が知らなかっただけで
本当は

『しのぶさんみたいに俺も誰かを救える仕事がしたい…そのために俺は…』

早く帰ってきてくださいね、Aくん