陸奥守の妹に恋をした（刀剣乱舞 薬研藤四郎）

42 寂しさ ページ42

貴方side

薬研くんは光の中ですっと消えた



…行っちゃったんだ


名残惜しく空を仰いでいたら


一「薬研、行ってしまいましたね。陸奥守殿も」

貴『本人の目の前では言わなかったけど…やっぱり寂しいかも…』


一「数日の辛抱です。帰りを待っていましょう…？」

そう言いながら頭を撫でてくれた一期さんの手はとても心強かった


私は小さく頷いた




･






翌日、私は非番だった。燭台切さんのお手伝いとして、白米を人数分よそった




主さんの分、和泉守さん達の分、と言ったように数えながらよそっていたら、横から



燭「蝶華ちゃん？？ふたつ多いよ？？」



貴「え？あ…」


そうか…兄上と薬研くんいないんだった…


燭「そんなに気にしなくて大丈夫だよ？？」


思っていたことが顔に出てたらしい


私は切り替えて笑顔を作って見せた



ご飯を食べ終えたあと、私は庭で短刀の刀達と一緒に遊んだ


その日の天気は快晴で肌寒さを忘れさせるほどだった



薬研くん…元気かな…



…寂しいな…



会いたいと思う度に彼の笑顔や、声を思い出す。



それに、胸が痛くなる



苦しくなる…

今「A！！つかまえましたよー！つぎはAのおにですよー！にっげろー！！」



貴『いまつるちゃん？！よし！！絶対掴まえるー！！』



この症状は明日になったら治るだろう



その時は誰にも言わず一日を過した


しかし数日たっても症状は収まらなかった


いや、むしろつもるばかり


私は仕方なく乱ちゃんに相談した


貴『最近、薬研くんのことを思い出すと会いたいっていつも思うの…それに、胸が苦しくなるの…』


どうしたらいい？？と乱ちゃんに問いた


乱「A…それはね、薬研のことが好きなんだよ」


好き…私が？？


薬研くんのことを…


考える度に涙が溢れてくる


貴『私…ずっと気づかなかった…気づいた時にはもう遅くて…ほんとに…情けない…』



乱「そんなことないよ…手遅れなんかじゃない…それを薬研に伝えれば、間に合うよ…」



私はえ…？なんで？？と言った顔をした



乱「忘れちゃった？？今日、薬研が帰ってくる日だよ？？帰ってきたらその気持ち、しっかり伝えな？？」




今日帰ってくる…そっか！


貴『ありがとう乱ちゃん！！』


私は涙を脱ぐって【あの場所】に走って向かった









乱「…好きだよ、A」


部屋に1人取り残された乱は目頭に涙を浮かべて呟いた

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